著者
古賀 菱子 高山 みづえ
出版者
中村学園大学
雑誌
中村学園研究紀要 (ISSN:02887312)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.231-235, 1985-03-31

メーカーの異なる粒状大豆たん白質A, BおよびCに関し, ×500および×20000の走査型電子顕微鏡像において, A区にはトンネル状がみられ, そのユニットの表層面は緻密で粘性を有するのに対して, B区およびC区はひだ状で, それらのユニットはホールを有し, 粗であり, C区はB区の集合体であると観察された。これらの点からA区は押し出し法, B区およびC区は紡糸法で異なる組織化であったとみられた。また.15%の粒状大豆たん白質を混合したハンバーグステニキにおけるテクスチャーの計測に関し, 官能テスト上, 最も好まれたSWH-Aのテクスチュログラムは大豆たん白質無添加のハンバーグステーキHに類似で, それは貫入および剪断によるかたさについて, SWH-BおよびSWH-Cに対し有意に高く, 組織化の相違によるテクスチャーに及ぼす影響が伺われた。
著者
古賀 菱子 加藤 祥子
出版者
中村学園大学
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.10-15, 1966-11-10

老人食,成人病予防及び治療食献立立案に資するため,食品の粗脂肪及びコレステロールを測定し,更に,その乾燥物を試料として,Nを定量することによって,食品粗タンパク質100gと共存するコレステロール量(mg%)を算出し,これを「コレステロール粗タンパク係数」(C.C.P.I.)と称して,老人食,成人病予防及び治療食における適性食品選択の一参考資料を提供した。全試料73種中,係数がもっとも低いものは,マガツオの白身で,ホンサバの白身,シバエビ,鯨赤肉,マグロ,冷凍キダイ,冷凍ホウボウ,鶏肉ささ身,鯨尾肉が,これに次いだ。一方,牛肝臓,マシジミ,マアナゴ,全鶏卵,アサリ貝と,係数は順次高くなり,もっとも高いものはフグの「しらこ」であったが,概して,貝類,獣鳥肉類の中の豚腰肉,牛及び豚の肝臓,卵類は,老人には,好ましい食品ではないように思われる。なお,C.C.P.I.に基づく,適性食品を供食する場合は,その使用量に注意すると共に,取扱い,切り方など,いわゆる典型的な調理法にこだわることなく,乳幼児食に関して,特別な考慮が払われていると同様に,老人に適した献立を立案し,C.C.P.I.の効率をあげろよ引こ努力すべきである。終りにのぞみ,終始,懇切なご指導を賜わりました広畑教授,並びに助力くださいました第一薬科大学生化学教室木村峯子さんに深謝いたします。