- 著者
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楠 喜久枝
三成 由美
杉山 なお子
- 出版者
- 中村学園大学
- 雑誌
- 中村学園研究紀要 (ISSN:02887312)
- 巻号頁・発行日
- vol.17, pp.221-229, 1985-03-31
(1)からしめんたいの原料になるスケトウダラは, 魚に雪と書くように, 雪の降る北緯38度線上に生息している。(2)魚卵の種類は, 4段階あり, ガムコ(未熟卵で12〜1月に漁獲されたもの), マコ(成熟卵で2月初旬に漁獲されたもので, 品質が最高のもの), メツケ(成熟卵でマコから1週間たって完然したもの。生の時, 直径1mmの斑点がある), ミズコ(完熟卵で3月下旬の産卵前の魚卵), があり, 価格はマコ1に対し, ガムコ0.4, メツケ0.7, ミズコ0.5の割合である。(3)走査型顕微鏡で魚卵を観察すると, ガムコ, マコ, メツケ, ミズコと粒子の成熟度が顕著にうかがえた。(4)からしめんたいは, 県条例による要許可業種ではないため, 正確な数は把握していないが, 家内工業的な製造店を含めると約100店舗である。からしめんたいは, 漬物等の加工食品扱いのため, 製造年月日, 賞味期間は義務づけられていないため, ほとんとが明記されていないのが現状である。(5)市場調査より, 土産用として価格1, 000円のものが, 正月, 連休, 盆によく売れて, 1, 000円のものについて重量をみると150g〜200gと指があった。魚卵のガムコ(未熟卵), ミズコ(完熟卵), メツケなどが混ぜ合わさっている。(6)実態調査より, イメージは, 博多的, 辛い, 土産品的であった。嗜好的には85%の男性, 女性が好んでいる。(7)嗜好調査では, 有意にマコが, 産地ではホクテン産が好まれた。ごれは, 買付業者の選別, 高級品的魚卵と一致していたが, 有名5店舗の比較では, めんたい好きの男性では, 昔から食べられた老舗のF店、(色調5 RIO/4, 塩分7.8±0.3%)を好み、女性では(色調10R5/5, 塩分8.5±0.1%), 唐辛子をピリッときかせた色をおさえたN店のものを好んでいた。