著者
古館 明洋 目黒 孝司
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.71-74, 2001-01-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
8
被引用文献数
3

(1) 市販ジャガイモの遊離アミノ酸含量は, 男爵イモでメークインよりも有意に多く, 品種間差が認められた.(2) 男爵イモとメークインの遊離アミノ酸含量は収穫期が遅くなるほど増加し, 増加分の約半分はアスパラギンであった.(3) 男爵イモの遊離アミノ酸含量は窒素施肥量を増肥するにつれ増加し, 特に, アスパラギン, グルタミンの増加が大きかった.(4) 煮汁への遊離アミノ酸の溶出率は男爵イモ及びメークインとも約60%程度であった.グルタミン酸の溶出量は男爵イモでメークインより多く, 塊茎中の含量の違いを反映していた.(5) 一般的な調理の場合, ジャガイモの煮汁中のグルタミン酸は呈味の閾値を越えるものと考えられた.