著者
小宮山 誠一 目黒 孝司 加藤 淳 山本 愛子 山口 敦子 吉田 真弓
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.336-342, 2002-11-20
参考文献数
13
被引用文献数
4

デンプン含量は,ジャガイモ調理・加工後の調理特性に大きな影響を及ぼす要素である。本試験は,産地および流通段階におけるデンプン含量のばらつきを明らかにするとともに,各種調理法別にデンプン含量で仕分けした試料(デンプン含量12〜16%)を用いて,デンプン含量が調理特性に及ぼす影響について検討を行った。その結果は次のとおりであった。1)個々のいもに対するデンプン含量は,株内,株間および産地間で大きく変動し,その分布幅は6.4〜20.0%であった。2)粉ふきいも,ふかしいも,電子レンジ加熱およびフライドポテトでは,デンプン含量が高いいもほどほくほく感が増し,食味総合評価は高かった。肉じゃがおよびカレーに見られる煮物調理では,デンプン含量の低いいもほど煮くずれが少なく,食味総合評価は高かった。ポテトサラダは,デンプン含量の高いいもの評価が高かった。3)デンプン含量が高いいもほど遊離アミノ酸含量は低く,とりわけうま味を呈するグルタミン酸含量は,デンプン含量15%以上で顕著に減少した。
著者
小宮山 誠一 目黒 孝司 加藤 淳 山本 愛子 山口 敦子 吉田 真弓
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.336-342, 2002-11-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
13

We examined the relationship between the starch content of potato and its cooking quality. Potato tubers were assigned according to their starch content from 12% to 16%. They were cooked by different methods and a sensory evaluation then carried out. In the case of boiling, steaming, frying and heating in a microwave oven, potato with the high starch content (HS) was evaluated as having a richer and more mealy feeling and better taste than potato with the low starch content (LS). On the other hand, in curry and nikujaga (pototo stewed with pork), LS was evaluated to be better than HS because of less collapse after cooking. In potato salad, HS was evaluated more highly than LS in taste only by the manufacturers' panel. The glutamic acid content was particularly low in potato tubers with a starch content of 15% and above.
著者
古館 明洋 目黒 孝司
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.71-74, 2001-01-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
8
被引用文献数
3

(1) 市販ジャガイモの遊離アミノ酸含量は, 男爵イモでメークインよりも有意に多く, 品種間差が認められた.(2) 男爵イモとメークインの遊離アミノ酸含量は収穫期が遅くなるほど増加し, 増加分の約半分はアスパラギンであった.(3) 男爵イモの遊離アミノ酸含量は窒素施肥量を増肥するにつれ増加し, 特に, アスパラギン, グルタミンの増加が大きかった.(4) 煮汁への遊離アミノ酸の溶出率は男爵イモ及びメークインとも約60%程度であった.グルタミン酸の溶出量は男爵イモでメークインより多く, 塊茎中の含量の違いを反映していた.(5) 一般的な調理の場合, ジャガイモの煮汁中のグルタミン酸は呈味の閾値を越えるものと考えられた.