著者
池田 道正 叶 季文 貫名 学
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要 農学 (ISSN:05134676)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.p849-852, 1989-01
被引用文献数
1

【要旨】本論文はニンギョウタケ子実体のメタノール抽出から得られる脂溶性区分に含まれている植物生長阻害物質の化学的研究結果をまとめたものである.本区分の分画・精製で得た植物生長阻害活性を有する二種の化合物について,種々のスペクトル分析と化学反応によって化学構造の解析を行い,これらがネオグリフォリンおよびグリフォリンであることを明らかにした.ネオグリフォリンはハクサイ発芽種子のその後の根の生長を, 50PPMの濃度でコントロール区の根長に比べ50%阻害した.一方,グリフォリンは100PPMの濃度でネオグリフォリンと同程度の阻害を引き起こした.