著者
吉原 真由美 金子 尚史
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.43-49, 2023 (Released:2023-02-28)
参考文献数
13

【目的】後期高齢者において透析モダリティの違いによってADLや生命予後,認知機能に差が生じるのかを明らかにすること.【方法】新規にHDあるいはPD導入となった75歳以上の患者を前向きに登録し,バーセルインデックス・KPSを3か月毎,HDS-Rを6か月毎に2年間測定した.【成績】2年間の組み込み期間でPD群18名,HD群40名が組入れとなった.平均年齢はPD群が有意に高齢であった.バーセルインデックス,KPSの組み込み時の値からの変化量はHD群で有意に高値となりPD群との間に有意差を認めた.HDS-Rは両群とも有意な変動は認めなかった.死亡と研究継続困難と判断されるADL・認知機能の低下で定義した観察中止までの期間は両群で有意差は認めなかった.【結論】HD群は透析開始後有意にADLが改善した.PD群はより高齢であるも,HD群と比べ認知機能の低下や観察中止までの期間に差を認めなかった.
著者
矢羽羽 雅行 松崎 幸司 吉原 真由美 小原 史生 大渕 信子 千葉 久美子 大間 依子 九嶋 圭子 船山 俊介 志田 和哉 佐々木 眞
出版者
道南医学会
雑誌
道南医学会ジャーナル (ISSN:2433667X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.17-26, 2018 (Released:2019-02-27)
参考文献数
2

CKD(慢性腎臓病)では腎機能に応じた腎排泄型薬剤の投与設計等が重要であるが、持参薬において医薬品が適正使用されていない事例が多くみられた。そこで、函館五稜郭病院腎臓内科医がCKD診断した患者のお薬手帳の表紙にCKDシールを貼付することで、病院‐診療所‐調剤薬局間で腎機能情報を共有化し医薬品適正使用を推進することを目的に、「函館五稜郭病院CKD病診薬連携」の構築・運用を開始した。運用開始後に医師及び薬剤師へアンケート調査を実施した結果、CKD病診薬連携による腎機能情報の共有化は、CKD患者への医薬品適正使用の推進に有用であることが示唆された。CKDシールは医師-薬剤師間の共通ツールであることから、薬剤師から医師への積極的な処方提案等が可能になることで、医師-薬剤師連携によるCKD患者への医薬品適正使用の推進が期待される。