著者
松井 康人 長野 有希子 橋本 訓 吉崎 武尚
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.337-344, 2019-10-15 (Released:2019-10-16)
参考文献数
11

国立大学の法人化に契機として,京都大学では安全管理の強化が行われた.2010 年以降に発生した約 1 900 件の事故情報を対象としてリスクを定量的に評価するために,アンケートのパラメータ間の比較と自由記述部の自然言語処理を用いた分析を実施した.分類毎の事故の報告数では,針刺し,転倒,交通事故,体液曝露,切れ・こすれの合計が,総報告数の7 割近くを占めていた.発生月は6 月が最大であり, 11 月も多い二峰性を示していた.自然言語処理では,車道から歩道に移動する際の自転車による転倒など,分類調査だけでは分からなかった傾向を,ベクトル俯瞰図から得た.またこれらの転倒は,接触型とスリップ型に分類でき,それぞれの要因についても明らかにした.