著者
松井 康人
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.157-161, 2017-09-20 (Released:2017-10-05)
参考文献数
10

Risks of Nanoparticle should be assessed comprehensively by their physicochemical characteristics. However, such assessment has not been conducted because various physicochemical parameters and end points are involved. The relationship between one characteristic and the specific effect has to be analyzed in order to conduct sufficient risk assessment of nanomaterials. In this study, it was found that there was the quantitative relationship between the specific surface modification/size of nanoparticle and the endocytic uptake of alveolar epithelial cells. The results indicate that the amount of cellular uptake of nanoparticles is independent of the surface modification, but it depends on the particle size. The uptake rate is high in the order of COOH>NH2>plain on the surface modification and faster as the particle size increases. It was suggested that uptake rate depends on the surface potential and the hydrophilicity.
著者
嵐谷 奎一 松井 康人 戸次加 奈江
出版者
一般社団法人 室内環境学会
雑誌
室内環境 (ISSN:18820395)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.127-136, 2019 (Released:2019-08-01)
参考文献数
11

モデルルーム(面積:20 m2, 容積:45 m3)において, 6種の異なる暖房器具(3種の石油系暖房器具, 都市ガス及びプロパンガスヒーター, 電気ストーブ)および喫煙により発生する汚染物質の計測を行った。換気条件は, 以下に示す4種類の方法により実施した。1: 換気操作を行わない(Fan off, Door closed), 2,3: ドアの開閉により換気を行う(Fan off, Door 45°-openまたはFan off, Door 10°-open), 4: 機械換気を行う(Fan on, Door closed)。なお, 暖房時間と喫煙時間は, いずれも3時間と設定した。これらの結果から, 電気ストーブを除く暖房器具の使用により, NOおよびNO2の発生が確認され, その濃度は機種により異なることが確認された。 また, CO, CO2およびホルムアルデヒドは, 電気ストーブを除く全ての暖房器具から発生することが確認され, 粉じんと多環芳香族炭化水素(PAH)は石油系暖房器具からの発生が認められた。一方で, 喫煙による影響を評価した結果からは, NO, COおよびCO2, ホルムアルデヒド, 粉じん, PAHの濃度の上昇が認められた。これらの汚染物質は, いずれも換気操作を行うことによって濃度の低減が確認され, 暖房器具の使用時や喫煙時には, 換気を行うことが室内汚染物質除去への対処策として効果を示すことが確認された。
著者
松井 康人 長野 有希子 橋本 訓 吉崎 武尚
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.337-344, 2019-10-15 (Released:2019-10-16)
参考文献数
11

国立大学の法人化に契機として,京都大学では安全管理の強化が行われた.2010 年以降に発生した約 1 900 件の事故情報を対象としてリスクを定量的に評価するために,アンケートのパラメータ間の比較と自由記述部の自然言語処理を用いた分析を実施した.分類毎の事故の報告数では,針刺し,転倒,交通事故,体液曝露,切れ・こすれの合計が,総報告数の7 割近くを占めていた.発生月は6 月が最大であり, 11 月も多い二峰性を示していた.自然言語処理では,車道から歩道に移動する際の自転車による転倒など,分類調査だけでは分からなかった傾向を,ベクトル俯瞰図から得た.またこれらの転倒は,接触型とスリップ型に分類でき,それぞれの要因についても明らかにした.
著者
西岡 和久 松井 康人 木村 寛之 佐治 英郎 米田 稔
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_67-I_72, 2013 (Released:2014-01-21)
参考文献数
9

本研究では,肺胞上皮に沈着したナノ粒子がどれだけ上皮内に取り込まれるのかについて,ヒトII型肺胞上皮細胞(A549)と修飾基の異なる3種類(カルボキシ修飾,アミノ修飾,修飾基なし)の蛍光ナノ粒子を用いて,「表面修飾」,及び「表面電位」に着目し,共焦点レーザー走査型顕微鏡によるイメージング,およびフローサイトメーターによる粒子を取り込んだ細胞数の定量を行った.その結果,表面電位と細胞への取り込み量の依存性に関しては明らかにできなかったものの,曝露時間が長い程取り込み量は増加し,特にカルボキシ修飾粒子で顕著であった.