著者
坂口 英児 安田 康晴 山本 弘二 吉川 孝次 佐々木 広一 友安 陽子 竹井 豊
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.712-716, 2021-10-31 (Released:2021-10-31)
参考文献数
15

背景:救急活動においてストレッチャー操作は不可欠であり,とくにストレッチャーの持ち上げ操作における身体負荷は男性より女性のほうが大きいと考えられる。目的:ストレッチャー操作での男女の身体負荷を明らかにし,その対策を検討する。対象と方法:救急救命士養成課程の学生男性24名,女性5名を対象に,ダミーを乗せたストレッチャーの持ち上げ操作前後の自覚的運動強度と客観的運動強度の身体負荷をそれぞれ比較した。結果:自覚的運動強度での身体負荷は65kgの頭側と75kgの頭側,尾側で男性より女性のほうが有意に大きかった(p<0.05)。65kgの尾側では身体負荷に有意差はないものの,男性より女性のほうが身体負荷を感じていた。客観的運動強度での身体負荷は65kg,75kgともに頭側,尾側で男性より女性のほうが有意に大きかった(p<0.05)。考察:腰痛予防対策指針には重量物取扱い作業時の自動化・省力化が示されている。女性救急隊員の身体負荷の軽減や活躍できる環境を整えるために,女性がストレッチャー操作する際には頭側を避け,尾側の左右に1名ずつ配置し持ち上げ操作を行うなどの対策や,電動ストレッチャーを導入するなどの対策が必要である。
著者
安田 康晴 佐々木 広一 坂口 英児 山本 弘二 吉川 孝次 友安 陽子 上杉 香鈴 二宮 伸治
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.806-815, 2022-10-31 (Released:2022-10-31)
参考文献数
20

背景:救急現場で使用されている眼球保護具の形状はさまざまであり,それら形状別の飛沫防御効果を検証する必要がある。目的:救急活動時に使用されている眼球保護具の形状による飛沫防御効果を検証し,適切な眼球感染防御対策について検討すること。対象:ゴーグルなど着用なし,眼鏡,全周カバー付きゴーグル,スポーツタイプゴーグル,シールドグラス,フェイスシールド,シールド付きヘルメット。方法:模擬飛沫発生装置により,救急活動での傷病者と救急隊員の距離・水平角・方位角別の眼球部の模擬飛沫付着を比較・検討した。結果:模擬飛沫の付着は本研究で用いたフェイスシールドでは認められなかったが,他の眼球保護具では認められ,眼鏡やスポーツタイプのゴーグル単体より,シールドグラスなどを併用することにより飛沫防御効果が高まった。まとめ:顔面全体を覆うフェイスシールドの着用や眼鏡やゴーグルにシールドグラスなどを併用することにより眼球への飛沫曝露リスクを軽減させることが示唆された。