著者
吉本 祐介 相原 寛 土本 正治 勝間田 篤
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.7, pp.534-537, 2006-07-20
被引用文献数
1

稀ではあるものの,頸椎・頸髄疾患が片麻痺で発症することがある.今回われわれは,片麻痺にて発症した後縦靭帯骨化症および頸髄硬膜外血腫の2例を経験した.いずれの症例も,頸髄が片側優位に圧排されたため片麻痺をきたしたものと思われた.片麻痺をきたす疾患の鑑別診断として,頸椎レベルの病変も念頭に診療に当たるべきであり,頸部痛がある場合や外傷例,頭部MRlによっても片麻痺の責任病巣が明らかでない場合には,迅速に頸椎レベルまで検索範囲を広げて精査する必要がある.