著者
大仲 佳祐 金子 聡 岡田 朋章 相原 寛 須山 嘉雄 若林 伸一
出版者
特定非営利活動法人 日本脳神経外科救急学会 Neurosurgical Emergency
雑誌
NEUROSURGICAL EMERGENCY (ISSN:13426214)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.213-217, 2019 (Released:2019-10-12)
参考文献数
9

初診時に熱中症と誤診され,くも膜下出血の診断が遅れた2例を報告した.熱中症とくも膜下出血は時に症状が似ていることがあり,特に頭痛・嘔気を呈する際にはそれを念頭において詳細な病歴聴取や,FASTを用いた脳卒中の検索が必要である.くも膜下出血では,予後を大きく左右する再出血の予防が重要であり,初期診療における急務である.熱中症として症状が典型的でない場合や病歴からくも膜下出血が示唆されるような場合は,頭蓋内の精査や脳卒中専門治療を行っている施設への紹介を検討すべきである.
著者
吉本 祐介 相原 寛 土本 正治 勝間田 篤
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.7, pp.534-537, 2006-07-20
被引用文献数
1

稀ではあるものの,頸椎・頸髄疾患が片麻痺で発症することがある.今回われわれは,片麻痺にて発症した後縦靭帯骨化症および頸髄硬膜外血腫の2例を経験した.いずれの症例も,頸髄が片側優位に圧排されたため片麻痺をきたしたものと思われた.片麻痺をきたす疾患の鑑別診断として,頸椎レベルの病変も念頭に診療に当たるべきであり,頸部痛がある場合や外傷例,頭部MRlによっても片麻痺の責任病巣が明らかでない場合には,迅速に頸椎レベルまで検索範囲を広げて精査する必要がある.