著者
吉永 英司 玉沢 修 鴨井 久一
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.684-695, 1984-12-28 (Released:2010-07-16)
参考文献数
19

歯肉炎と診断された患者16名に対し, 初診時とブラッシング指導後14日目において歯肉溝滲出液を採取し, 一部被験者については採血も行ない, 免疫複合体と IgG 量を定量した。併せて臨床所見の評価を行なった結果, つぎの結論を得た。1. 歯肉溝滲出液中免疫複合体量は血清中量に比較して高濃度に含まれ, ブラッシング指導後では増加傾向にあった。2. 歯肉溝滲出液中IgG量は免疫複合体と比較して血清中量との差が少なく, ブラッシング指導後では減少傾向にあった。3. 臨床所見との相関性は, 歯肉溝滲出液中免疫複合体量とGIとの間にのみ認められた (p<0.1)。4. ブラッシング指導後においては, 歯肉溝滲出液中免疫複合体量とIgG量との間に相関性が認められた (p<0.01)。