- 著者
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小山 順二
都筑 基博
蓬田 清
吉澤 和範
- 出版者
- 北海道大学大学院理学研究院
- 雑誌
- 北海道大学地球物理学研究報告 (ISSN:04393503)
- 巻号頁・発行日
- vol.76, pp.129-146, 2013-03-19
2011 年3 月11 日マグニチュード9.0 の超巨大地震が東北地方太平洋沿岸をおそった.この地震は過去千年以上にわたる日本付近で発生したどの地震よりも大きな津波を励起し,地震動災害ばかりではなく歴史に残る甚大な津波災害を発生させた.従来,このような超巨大地震が日本付近で発生することは,地震学的に想定されてこなかった.我々は,この超巨大地震の発生を考えるうえで,今まで見過ごされてきた超巨大地震の発生場には二つの異なった特徴があることに気が付いた.それはAlong-dip Double Segmentation(ADDS)とAlong-strike Single Segmentation(ASSS)という異なった地震活動である.我々はこの考えに基づき,世界中で発生した超巨大地震を調べなおし,超巨大地震の発生場を,地震活動の特徴(ADDS/ASSS),地震メカニズム,破壊様式,沈み込み帯の形状,上盤プレートの性質や背弧海盆の活動といった性質から,明らかにする.