- 著者
-
吉澤 瑛子
岡田 唯男
小原 まみ子
- 出版者
- 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
- 雑誌
- 日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.3, pp.209-213, 2015 (Released:2015-09-28)
- 参考文献数
- 24
目的 : 日本の透析患者は増加傾向だが, CKD診療からみた必要専門医は概算1万2千人にも関わらず実際は4~7千人しかいない. 透析の質の維持向上に工夫をしながら, 透析非専門医が行う当施設の透析医療の現状と, 透析の質について検証した.方法 : 当施設で2011年に血液透析を行った全患者を対象とし, 後方視的診療録レビューを行い, カルテ上の記載から情報収集. 日本透析医学会ガイドラインの管理目標の達成率を算出した結果 : 目標達成率は, Kt/Vdpは80.0%, ヘモグロビン69.9%, 血清アルブミン63.6%, 血清補正カルシウム85.4%, 血清リン78.3%, インタクトPTH 56.8%だった.結論 : 今回の検証において, 当施設が行う透析でも質は確保されていた. 他の分野同様, 安定した患者を家庭医などジェネラリストが受け入れることで, 専門医は, より専門性の高い患者の治療に専念できる可能性がある.