著者
辻井 弘忠 吉田 元一
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要 (ISSN:05830621)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.p103-110, 1984-12

木曾馬は,戦後外部からの移入を完全に閉じた閉鎖繁殖集団を形成し,体型を昔の形に戻そうとする努力と,母集団が小さいことも手伝って近親交配がかなり行われている。本調査は,1969年から1984年までの登録簿からの各馬の3代前の先祖が明らかな牡5頭,牝26頭と,一部先祖が不明な牡4頭牝43頭についてWrightの式によって各近交係数を算出した。その結果,先祖が明らかなものにおける平均近交係数は木曾馬種牡で0.156,木曽系種牝で0.070と木曾馬種で特に近交係数が高まっていた。一部先祖が不明なものにおける平均近交係数は木曾馬種牝で0.030,木曽系種牝で0.032であった。登録馬全体の平均近交係数は0.066,現存する馬全体の平均近交係数は0.081,また,牡馬の平均近交係数0.095,牝馬の平均近交係数0.060といずれも近交係数が高まっているのが判明した。産年次別に平均近交係数をみると,ほぼ一直線に増加していた。今後,これらの結果を参考にして近交係数の高い馬同士の交配を避けなければならない。
著者
辻井 弘忠 吉田 元一
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要 (ISSN:05830621)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.p37-48, 1984-07

昭和28年に報告された(昭和23年時)の調査データーと比較し,35年間で木曾馬の体型がどのように変化したかを調べた。開田村,上松町,田立村,名鉄木曾馬牧場の4才以上の木曾馬牝30頭について体高,体長,尻高,頭幅,腰幅,尻幅,頭長,尻長,胸深,胸囲,管囲を測定した。毛色等は牡5頭を含む総計45頭について測定した。毛色は鹿毛色が圧倒的に多く,月毛や芦毛はみられなかった。背に鰻線を有するものが17頭もおり,額に刺毛,星等を有する馬はいなかった。木曾馬種,木曾系種ともに昭和28年時と比べて殆どの部位で差が認められ,後軀に対する前軀の充実がみられた。これから木曾馬の体型に近付きつつあることが推察された。まだ明治時代の体型よりひとまわり大きいものの,大正,昭和23年時より明治時のそれに近付く傾向がみられた。
著者
辻井 弘忠 吉田 元一
出版者
信州大学農学部
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.103-110, 1984 (Released:2011-03-05)

木曾馬は,戦後外部からの移入を完全に閉じた閉鎖繁殖集団を形成し,体型を昔の形に戻そうとする努力と,母集団が小さいことも手伝って近親交配がかなり行われている。本調査は,1969年から1984年までの登録簿からの各馬の3代前の先祖が明らかな牡5頭,牝26頭と,一部先祖が不明な牡4頭牝43頭についてWrightの式によって各近交係数を算出した。その結果,先祖が明らかなものにおける平均近交係数は木曾馬種牡で0.156,木曽系種牝で0.070と木曾馬種で特に近交係数が高まっていた。一部先祖が不明なものにおける平均近交係数は木曾馬種牝で0.030,木曽系種牝で0.032であった。登録馬全体の平均近交係数は0.066,現存する馬全体の平均近交係数は0.081,また,牡馬の平均近交係数0.095,牝馬の平均近交係数0.060といずれも近交係数が高まっているのが判明した。産年次別に平均近交係数をみると,ほぼ一直線に増加していた。今後,これらの結果を参考にして近交係数の高い馬同士の交配を避けなければならない。
著者
辻井 弘忠 吉田 元一
出版者
信州大学農学部
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.37-48, 1984 (Released:2011-03-05)

昭和28年に報告された(昭和23年時)の調査データーと比較し,35年間で木曾馬の体型がどのように変化したかを調べた。開田村,上松町,田立村,名鉄木曾馬牧場の4才以上の木曾馬牝30頭について体高,体長,尻高,頭幅,腰幅,尻幅,頭長,尻長,胸深,胸囲,管囲を測定した。毛色等は牡5頭を含む総計45頭について測定した。毛色は鹿毛色が圧倒的に多く,月毛や芦毛はみられなかった。背に鰻線を有するものが17頭もおり,額に刺毛,星等を有する馬はいなかった。木曾馬種,木曾系種ともに昭和28年時と比べて殆どの部位で差が認められ,後軀に対する前軀の充実がみられた。これから木曾馬の体型に近付きつつあることが推察された。まだ明治時代の体型よりひとまわり大きいものの,大正,昭和23年時より明治時のそれに近付く傾向がみられた。