著者
西山 純一 長谷川 啓一郎 吉野 利尋 鈴木 利保
出版者
The Japanese Society of Reanimatology
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.118-121, 2006-07-20

東海大学医学部付属病院において, 2004年7月からの1年間に6名の救急救命士が気管挿管実習を行った。対象総患者数184名 (男性95名: 女性89名) , 平均年齢48.5±16.0歳, IC取得率約75%, 平均気管挿管成功率89.3±6.9%, 合併症発生率1.1% (口唇損傷2例) であった。気管挿管成功30例達成までの症例数は平均30.7±0.8例, 実習期間平均46.2±13, 4日という結果であり, 実習は約一ヶ月半の期間を必要とした。全員が実習を修了し, 認定登録を受けた。実習は重大な合併症の発生なく安全に行えたが, 実習システムは, 手技主体の指導になること, 規定症例数達成までの実習期間, 症例数に制限がなく, 実習参加が修了認定と同義となっていること, 実習が麻酔科医の献身性によってなりたっていること等の問題があり, 実習施設数の増加, 指導医の業務負担軽減, 行政等による広報他, いくつかの改善策が必要と考えられた。