著者
布施 明 坂 慎弥 立澤 裕樹 吉野 雄大 萩原 純 布施 理美 宮内 雅人 横田 裕行
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.703-710, 2016-12-31 (Released:2016-12-31)
参考文献数
9

ツイッターで熱中症の共起ワードに着目し,熱中症救急搬送者数との関係を検討した。2014年6月1日から9月30日の間の,日別の熱中症救急搬送者数を集計し,「熱中症と考えられる」ツイートの114,003件を分析対象とした。搬送者数とツイート数の相関係数は0.91で強い相関があり,地域でも同様であった。共起ワードを検討すると,熱中症とは直接関係性が考えにくい単語でも相関が強い場合があることが明らかとなった。年代別での検討では50代以上で頻出する共起ワードの使用率が他の年代と比較して高かったが,性別での検討では,明らかな特徴はなかった。今回の結果は2014年,単年の分析結果であり,他年にも同様の傾向があるかについては検討する必要がある。50代以上はツイートの利用率は低いが,他の世代に比較して共起ワードの検出率が高かった。本結果をもとに,今後,SNSを用いた熱中症の予防に役立つような手法の開発が望まれる。
著者
布施 明 坂 慎弥 立澤 裕樹 吉野 雄大 萩原 純 布施 理美 宮内 雅人 横田 裕行
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.703-710, 2016

<p>ツイッターで熱中症の共起ワードに着目し,熱中症救急搬送者数との関係を検討した。2014年6月1日から9月30日の間の,日別の熱中症救急搬送者数を集計し,「熱中症と考えられる」ツイートの114,003件を分析対象とした。搬送者数とツイート数の相関係数は0.91で強い相関があり,地域でも同様であった。共起ワードを検討すると,熱中症とは直接関係性が考えにくい単語でも相関が強い場合があることが明らかとなった。年代別での検討では50代以上で頻出する共起ワードの使用率が他の年代と比較して高かったが,性別での検討では,明らかな特徴はなかった。今回の結果は2014年,単年の分析結果であり,他年にも同様の傾向があるかについては検討する必要がある。50代以上はツイートの利用率は低いが,他の世代に比較して共起ワードの検出率が高かった。本結果をもとに,今後,SNSを用いた熱中症の予防に役立つような手法の開発が望まれる。</p>
著者
小池 宙 吉野 雄大 松本 紘太郎 竹原 朋宏 竹本 治 松浦 恵子 渡辺 賢治
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.238-244, 2012 (Released:2013-02-13)
参考文献数
14
被引用文献数
1 2

近年,気候変動や生薬輸出国の経済発展により生薬の供給は不安定になりつつある。本稿では,生薬原料の国内生産の増加・自給率向上を目的に,需要が減少傾向にある葉タバコから生薬原料への転作の可能性について検討した。まず,転作をすすめる生薬原料として需要・品質・価格面を考慮し,当帰と柴胡を選定した。次に,これら生薬原料と葉タバコの国内生産について収益性等を比較した。当帰の収益性は葉タバコよりも低かったが,転作奨励金等で収益を補えば葉タバコからの転作が促されると考えられた。具体的には,年間3,500万円の転作奨励金により当帰の自給率は10割にまで上がるという試算結果となった。一方,柴胡の収益性は葉タバコを上回っていたが,国産品の販売価格は輸入品の約3倍であり,薬価よりも高く,生産補助金で価格競争力を補う必要があると考えられた。具体的には,年間6.6億円の生産補助金で柴胡の自給率は5割に上がるとの試算結果となった。