著者
柴田 憲一 向井 達也 中垣 英明 長野 祐久
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.486-490, 2021 (Released:2021-07-30)
参考文献数
13

63歳男性.1か月前から発熱があり,左上肢の麻痺で入院した.MRIで右前頭葉,右頭頂葉,両側後頭葉に拡散強調像で高信号があり,急性期脳梗塞と診断した.左後頭葉病変はT2強調像で高信号だった.右中大脳動脈M1に狭窄が疑われた.塞栓症と考えられたが原因不明だった.胸部CTですりガラス影と,polymerase chain reaction(PCR)で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)陽性だった.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による凝固異常が原因の可能性があった.