著者
呉 艶
出版者
同志社大学国文学会
雑誌
同志社国文学 (ISSN:03898717)
巻号頁・発行日
no.75, pp.14-26, 2011-12

異類婚姻譚は古く、どの時代にも、諸民族の間に存在するものであり、日本と中国の同類のものは、時代的にも、距離的にも、互いに遠く隔たっているとは言え、一致するところが多く見られる。本稿は六朝小説などの中国の古典文学における異類婚の事例を取り上げ、日本のそれと比較しながら、その接点をめぐって考察を進め、更に、社会形態と宗教思想からの影響を考えながら、異類婚姻譚に表出する性差意識を検証するものである。