著者
五嶋 実波 和田 幹生 松島 和樹 大阿久 達郎 中川 晃輔 北川 景都 木村 沙江 金井 伸行
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.2-9, 2022-03-20 (Released:2022-03-23)
参考文献数
33

目的:COVID-19流行による外来受診の変化を評価する.方法:2019年と2020年の4・5月における家庭医療センター初診患者の診療録を,後方視的に参照した.人数,年齢及びプライマリ・ケア国際分類で分類した臓器別健康問題と受診理由を全患者,小児と成人領域患者に分け2019年と2020年で比較した.結果:2019年と2020年で,対象者は1159人と859人(男性は48%と53%),1日平均患者数は25.2人と17.9人(p<0.001),平均年齢は48.4歳と52.4歳(p=0.010).主な臓器別健康問題(2019年:2020年)は,小児で呼吸器45%:32%(p=0.026),消化器18%:5%(p=0.003),成人で呼吸器23%:16%(p<0.001),皮膚20%:15%(p=0.011).結論:COVID-19流行下で外来患者数は減少し,臓器別健康問題の内訳が変化した.
著者
安原 大生 川島 篤志 和田 幹生 花本 明子 加来 奈津子
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.53-58, 2021-06-20 (Released:2021-06-23)
参考文献数
7

目的:破傷風は強直性痙攣を引き起こす致命率の高い感染症である.筋症状の治療として硫酸マグネシウムが有効である可能性が報告されているが,その使用実態の知見は乏しい.本研究の目的は重症管理を必要とした破傷風に対する硫酸マグネシウム使用の概要を明らかにすることである.方法:国内で医師が登録する複数のメーリングリストを利用し,重症管理を必要とした破傷風に対する硫酸マグネシウムの使用実態についてアンケート調査を行った.結果:対象となるのべ24,266人のうち計604名からの回答があった.重症管理を必要とした破傷風症例の経験者は252名であり,そのうち硫酸マグネシウムの使用経験者は126名であった.結論:重症管理を要する破傷風症例において,硫酸マグネシウムの使用が相当数認められることが明らかとなった.破傷風治療の選択肢として,硫酸マグネシウムの有用性については更なる知見の蓄積が必要である.