著者
宮脇 勝 唐 圻亮
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.25-32, 2014

本研究は、上海のイギリス人居留地を取り上げ、道路、街区、建造物の形成年代を、歴史的景観キャラクタライゼーションを用いて特定している。結論で、1)道路について、1855年以前に形成された歴史的道路が約44%を占め、1917年までに形成された道路が全体の約98%残されていることがわかった。2)街区について、最も古い1855年以前に形成された街区は15街区あり、戦前の1932年以前に形成された歴史的街区は、151街区中134街区と、極めて高い割合で歴史的街区が残っていることがわかった。3)1932年以前に形成された道路と街区の総計は、約90%を占め、イギリス人居留地は、歴史的価値が高いエリアと言える。4)建造物について、現地調査した130棟のうち、1900年以前に形成された最も古い建造物は10棟あった。また、最も多く残っている年代は1921年~1930年の40棟であることがわかった。