著者
武藤 崇 唐岩 正典 岡田 崇宏 小林 重雄
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.31-42, 2000-09-30 (Released:2017-07-28)

本研究は、広汎性発達障害幼児に対する適切な排尿行動の形成を目的とした。そのトイレット・マネイジメント手続きは、短期集中ホーム・デリバリー型の支援形態で実施された。まず、両親に対するインフォームド・コンセント(説明と同意)と、機能アセスメントに基づく援助計画が立案された。次に、その計画に基づいた援助がスタッフと親によって実施された。その結果、マネイジメント援助期において、定時排泄機会の設定間隔を12日間で20分間から50分間まで延ばすことが可能となった。さらにマネイジメント維持期の最終段階で排尿間隔が平均140分まで延び、自発的なトイレへの移動も観察された。また、本援助に対する両親の満足度は非常に高かった。今後は、このような支援形態での援助手続きの伝達方法をさらに検討する必要性が示唆された。