著者
図司 直也
出版者
日本農業経済学会
雑誌
農業経済研究 (ISSN:03873234)
巻号頁・発行日
vol.92, no.3, pp.253-261, 2020

<p>本シンポジウムが射程とする2040年には,田園回帰の動きを牽引した団塊ジュニア世代が高齢者となり,農村と都市の双方で豊かなライフスタイルを享受する都市農村対流時代が想定される.その時点での農村像を描き出すとき,4つのシナリオが想定され,社会インフラ技術が小規模化でき,SDGsの理念が国民に共有され,社会変革が進められる条件が揃った「地方分散シナリオ」を選択できれば,持続可能性がより高まるだろう.今日各地で見られるローカルプロジェクトは,その萌芽的な動きといえよう.旧来の計画や制度の更新とは別の形で,農村の暮らしを基点とし価値創造を生み出す地方分散シナリオを実現できるプロセスの検討を今から始めるべきである.</p>
著者
図司 直也
出版者
法政大学現代福祉学部現代福祉研究編集委員会
雑誌
現代福祉研究 = The bulletin of the Faculty of Social Policy and Administration : reviewing research and practice for human and social well-being (ISSN:13463349)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.127-145, 2013-03-01

現代日本の農山村地域は、過疎化、高齢化が全国に先んじて進み、そこでは集落機能の維持に必要な人手が不足し、次世代の確保が危ぶまれている。その反面、2000年代に入り、農山村地域に向かう若者の存在が目立ち始め、近年では国主導のもとで、「地域おこし協力隊」のように地域サポート人材導入事業が施策化され、急激な広がりを見せる。しかし、「人」を施策対象に据えているために、受入地域と若者のマッチングや、若者と地域の成長を意識したプログラムづくりなど、民間の先発的な取り組みの工夫に学ぶ必要があり、若者移住を目指す以前に、まず若者が地域に馴染む最初の段階を大事にする姿勢が求められる。さらに、地域サポート人材を志す若者の目的や動機、任期中の展開、さらに任期後の動向について、相互を結び付けて検討する動態分析が未着手であり、本研究では、応募動機と任期後の進路展開に関する実態調査から今後求められる分析視角を検討した。
著者
図司 直也
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.350-353, 2013-12-30 (Released:2014-12-30)
参考文献数
10
被引用文献数
2 10

Recently the youth who go to rural area continues to increase. The governments establish a policy of making the best use of supporters for local community. They understand local communities through working together with local inhabitants. And then they try to make efficient use of local resources and connect to rewarding works. But we had better not to expect easily they settle down in rural area. Firstly, it is necessary for making progress together with supporters, local inhabitants, and coordinators in local government.
著者
図司 直也 zushi Naoya
出版者
法政大学現代福祉学部
雑誌
現代福祉研究 (ISSN:13463349)
巻号頁・発行日
no.13, pp.127-145, 2013-03

現代日本の農山村地域は、過疎化、高齢化が全国に先んじて進み、そこでは集落機能の維持に必要な人手が不足し、次世代の確保が危ぶまれている。その反面、2000年代に入り、農山村地域に向かう若者の存在が目立ち始め、近年では国主導のもとで、「地域おこし協力隊」のように地域サポート人材導入事業が施策化され、急激な広がりを見せる。しかし、「人」を施策対象に据えているために、受入地域と若者のマッチングや、若者と地域の成長を意識したプログラムづくりなど、民間の先発的な取り組みの工夫に学ぶ必要があり、若者移住を目指す以前に、まず若者が地域に馴染む最初の段階を大事にする姿勢が求められる。さらに、地域サポート人材を志す若者の目的や動機、任期中の展開、さらに任期後の動向について、相互を結び付けて検討する動態分析が未着手であり、本研究では、応募動機と任期後の進路展開に関する実態調査から今後求められる分析視角を検討した。