著者
佐野村 誠 國弘 真己
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.617, 2017-05-24

定義 Crohn病に合併する上部消化管病変は,Crohn病の診断基準の副所見のひとつとして取り上げられている(Table 1).その中でも胃・十二指腸病変に特徴的な所見は,胃病変である“竹の節状外観”と十二指腸病変の“ノッチ様陥凹”である.いずれもインジゴカルミン撒布によりわずかに認識できる程度のものから,通常観察でも明らかに認識できる高度なものまでさまざまである. 十二指腸の“ノッチ様陥凹”は球部から下行部のKerckring皺襞(輪状ひだ)に数本の切れ込みを呈する所見である1).輪状ひだ上の陥凹をノッチ(Fig. 1)と呼び,縦に配列した“ノッチ様陥凹”を呈し,さらに高度になると,ひきつれ所見を伴う(Fig. 2,3).
著者
日山 亨 國弘 真己 朝山 直樹 卜部 祐司 岡信 秀治 小野川 靖二 國弘 佳代子 桑井 寿雄 児玉 美千世 佐野村 洋次 永井 健太 濱田 博重 古土井 明 実綿 倫宏 毛利 律生 吉岡 京子 田中 信治 岡 志郎
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.76, no.7, pp.467-479, 2023 (Released:2023-06-29)
参考文献数
101

プロバイオティクスは日常診療において頻用されているが,現在,その使用ガイドラインは作成されていない.そのため,「広島大学消化器内科関連病院プロバイオティクス使用ガイドライン」を作成した.実地診療における疑問や問題を取り上げ,7(実質10)項目のクリニカルクエスチョンを決定した.作成に当たっては「Minds診療ガイドライン作成マニュアル2020 ver.3.0」に従い,推奨の強さとエビデンスの質を示した.なお,この領域における本邦からのメタアナリシスなど質の高い報告は少なく,委員のコンセンサスを重視せざるを得ない部分も多かった.ガイドラインは現時点でのエビデンスの質に基づいたものであり,医療の現場で患者と医師による意思決定を支援するものである.個々の患者に応じて,柔軟に対応する必要がある.