著者
日山 亨 國弘 真己 朝山 直樹 卜部 祐司 岡信 秀治 小野川 靖二 國弘 佳代子 桑井 寿雄 児玉 美千世 佐野村 洋次 永井 健太 濱田 博重 古土井 明 実綿 倫宏 毛利 律生 吉岡 京子 田中 信治 岡 志郎
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.76, no.7, pp.467-479, 2023 (Released:2023-06-29)
参考文献数
101

プロバイオティクスは日常診療において頻用されているが,現在,その使用ガイドラインは作成されていない.そのため,「広島大学消化器内科関連病院プロバイオティクス使用ガイドライン」を作成した.実地診療における疑問や問題を取り上げ,7(実質10)項目のクリニカルクエスチョンを決定した.作成に当たっては「Minds診療ガイドライン作成マニュアル2020 ver.3.0」に従い,推奨の強さとエビデンスの質を示した.なお,この領域における本邦からのメタアナリシスなど質の高い報告は少なく,委員のコンセンサスを重視せざるを得ない部分も多かった.ガイドラインは現時点でのエビデンスの質に基づいたものであり,医療の現場で患者と医師による意思決定を支援するものである.個々の患者に応じて,柔軟に対応する必要がある.
著者
日山 亨 田中 信治 茶山 一彰 吉原 正治
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.1437-1443, 2018 (Released:2018-08-20)
参考文献数
22

判例データベースで検索可能で,かつ,判決文が入手可能な上部消化管内視鏡・X線検査が関係した民事訴訟事例は,13事例(内視鏡検査関連9事例およびX線検査関連4事例)認められた.内視鏡検査が関係した9事例の内訳は,前処置後のショックが関係したものが4事例,胃癌の見落としおよび生検後の大量出血に関係したものがそれぞれ2事例,鎮静後の交通事故に関係したものが1事例であった.X線検査が関係した4事例の内訳は,胃癌の見落としとバリウムによる腸管穿孔に関係したものがそれぞれ2事例であった.5事例で医療機関側が勝訴しており,患者に悪い結果が生じたからといって,必ずしも医療機関側の責任とされてはいなかった.医療機関側の責任が認められるためには,3つの要件(患者側の損害,医療機関側の過失,因果関係)が揃う必要がある.事故時には,速やかに上記3要件について検討し,患者側に対する医療機関側の態度を決定する必要がある.
著者
古田 隆久 加藤 元嗣 伊藤 透 稲葉 知己 小村 伸朗 潟沼 朗生 清水 誠治 日山 亨 松田 浩二 安田 一朗 五十嵐 良典 大原 弘隆 鈴木 武志 鶴田 修 吉田 智治 芳野 純治
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.1466-1491, 2016 (Released:2016-09-20)
被引用文献数
2

2008年(平成20年)より2012年(平成24年)の5年間における消化器関連の偶発症数は,総検査数17,087,111件に対して12,548件(0.073%)であった.観察のみの偶発症の発生率の0.014%に対し,治療的な内視鏡検査での偶発症発生率は0.67%と約50倍高かった.死亡事案は220件あり,特に70歳以上の高齢者での死亡が164件と全体の3/4をしめた.
著者
日山 亨 田中 信治 茶山 一彰 吉原 正治
出版者
The Japanese Society of Gastrointestinal Cancer Screening
雑誌
日本消化器がん検診学会雑誌 = Journal of gastroenterological cancer screening (ISSN:18807666)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.393-400, 2011-05-10
被引用文献数
2

今回, 上部消化管内視鏡検査(生検を含む)に伴う稀な偶発症に関する報告について, レビューを行った。1990年から2009年末までに英語(抄録を含む)で医学雑誌に発表されたものをMedline を用いて検索した。これら報告からデータを抽出し, 検討を行った。該当する偶発症としては,(1)出血:食道粘膜内血腫および十二指腸血腫,(2)空気塞栓症,(3)気腫・気胸・緊張性気腹:皮下気腫, 後腹膜気腫等,(4)腹部コンパートメント症候群,(5)横隔膜ヘルニア,(6)内視鏡嵌頓,(7)口蓋垂炎,(8)膵炎,(9)感染症関連:敗血症等,(10)び漫性脳浮腫があった。報告の中には死亡例もあった(十二指腸血腫や空気塞栓症等)。上部消化管内視鏡検査に伴う稀な偶発症の中には迅速な対応が必要なものもあり, 内視鏡医はこれらについて, 十分な知識を持っておく必要があると思われた。
著者
日山 亨 田中 信治 茶山 一彰 吉原 正治
出版者
一般社団法人 日本消化器がん検診学会
雑誌
日本消化器がん検診学会雑誌 = Journal of gastroenterological cancer screening (ISSN:18807666)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.393-400, 2011-05-10
参考文献数
37
被引用文献数
2

今回, 上部消化管内視鏡検査(生検を含む)に伴う稀な偶発症に関する報告について, レビューを行った。1990年から2009年末までに英語(抄録を含む)で医学雑誌に発表されたものをMedline を用いて検索した。これら報告からデータを抽出し, 検討を行った。該当する偶発症としては,(1)出血:食道粘膜内血腫および十二指腸血腫,(2)空気塞栓症,(3)気腫・気胸・緊張性気腹:皮下気腫, 後腹膜気腫等,(4)腹部コンパートメント症候群,(5)横隔膜ヘルニア,(6)内視鏡嵌頓,(7)口蓋垂炎,(8)膵炎,(9)感染症関連:敗血症等,(10)び漫性脳浮腫があった。報告の中には死亡例もあった(十二指腸血腫や空気塞栓症等)。上部消化管内視鏡検査に伴う稀な偶発症の中には迅速な対応が必要なものもあり, 内視鏡医はこれらについて, 十分な知識を持っておく必要があると思われた。