著者
土居 誉生 隅田 英一郎
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.1742-1752, 2006-06-15

コーパスベース翻訳は高い翻訳品質を実現しうる有望な技術である.しかし,入力文と関連のない語が訳文に湧き出すなど,特徴的な翻訳誤りも観察される.本稿では,この湧き出し誤りへの対処として,後編集により自動修正するアプローチを提案する.提案手法は,単語翻訳モデルを利用して誤り語候補を検出し,修正処理を起動する.誤り語候補は,対訳コーパスから得られた用例を利用した制約の検証を経て,訳文から削除される.日英および中英翻訳を対象とした複数のシステムを使った実験で,誤り語自動削除による翻訳精度向上効果が確認された.