- 著者
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中村 哲
隅田 英一郎
清水 徹
- 出版者
- 一般社団法人情報処理学会
- 雑誌
- 情報処理 (ISSN:04478053)
- 巻号頁・発行日
- vol.49, no.6, pp.606-610, 2008-06-15
- 参考文献数
- 7
- 被引用文献数
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異なる言語を話す人とのコミュニケーションや異なる言語を話す集団への情報発信を自由に行うことは,経済活動等種々の活動のグローバル化やボーダーレス化に伴いきわめて重要になってきている.特に,人間が話した言葉をそのまま相手の言語に自動通訳する技術は,人類にとって長年の夢の技術であった.この技術は,音声を認識する技術,話し言葉を翻訳する技術,相手の言語で音声を合成する技術で構成されており,長年の研究の結果,その基本的な部分が,最近,日本語,英語,中国語の旅行会話を対象に実用可能なレベルまで到達してきた.この技術は,文が比較的短く単純な日常の旅行会話を対象に,音声認識結果をテキストとして逐次翻訳をする技術であり,非言語的な情報を利用せず1文単位に訳を行うという点で音声翻訳と呼ばれている.現在の性能として,旅行会話に対する日英翻訳の精度の観点で人間と比較するとTOEICで600点以上の人間の翻訳性能と等価ということが明らかになっている.本稿では音声翻訳技術の技術と現状について概説する.