著者
土屋 勇太郎 Nishihara Gregory N. 寺田 竜太
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産學會誌 = Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.189-197, 2012-03-15
参考文献数
48
被引用文献数
2 7

鹿児島産ホンダワラ属 5 種の光合成を 10~36°C の温度で測定した。純光合成速度はそれぞれ 20~24°C で最高値を示し,マメタワラとヤツマタモク,ヒジキは 16~28°C ,コブクロモクとキレバモクは 16~24°C で最高値と有意差のない速度を示した。呼吸速度はいずれも高温で増加した。光化学系IIの電子伝達速度はそれぞれ 28~30°C で最高値を示し,32°C 以上で減少した。生育地の夏季の水温環境(約 29°C)では,電子伝達の阻害はないと示唆されるが,それ以上の水温では光合成活性の低下の可能性が考えられた。<br>