- 著者
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土屋 高康
國領 二郎
村井 純
- 出版者
- 一般社団法人 日本デザイン学会
- 雑誌
- デザイン学研究 (ISSN:09108173)
- 巻号頁・発行日
- vol.64, no.1, pp.1_19-1_28, 2017-07-31 (Released:2017-09-20)
- 参考文献数
- 22
デジタルヘルス市場では,スマートフォンを活用した新サービスの創出が活況である。しかし,市場ではコモディティー化も顕著であり,差別化戦略は益々重要性を増している。一方,健康に纏わるユーザーの価値観は定量化が難しいだけでなく,サービス価値の判断は競合サービスにも影響を受け変化することから,競合関係とともに捉えることが重要である。そこで本稿は,ユーザーレビューを活用し,テキスト解析と対応分析を駆使することで,差別化戦略を構築する上での有用な指針を抽出する方法を提示する。分析結果より,ユーザーは、体組成計データ等のグラフ表示や記録・管理機能などの一次的価値(機能そのものによる便益)を重視している傾向の他、睡眠管理や服薬管理などの分野ではコモディティー化を逃れていることが示唆された。よって、分野の特性を的確に捉えた上で差別化要素を検討する重要性などが指針として得られ、本稿で示した方法はデジタルヘルス分野における差別化戦略の構築に於いて,一助になると考えられる。