著者
國領 二郎
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.4-13, 1998 (Released:2022-07-22)

情報・通信産業などにおいて,商品供給連鎖を構成する諸階層のうちで,自社の提供する階層を絞る一方で,自分がコミットする階層についてはより多くの地域で高いシェアをとろうとするプラットフォーム型の経営戦略が一般的になりつつある.プラットフォーム型経営戦略がただちに全ての産業に広がることは考えられないが,このトレンドは知識経済化の現われであると認識され,今後広がることが予想される.プラットフォーム型経営戦略は短期的には従来の日本の組織の強みを否定するが,情報技術を組織構成員間の文脈共有の道具として活用していくことに成功すれば,日本の組織の強みを強化するものともなりうる.
著者
土屋 高康 國領 二郎 村井 純
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.1_19-1_28, 2017-07-31 (Released:2017-09-20)
参考文献数
22

デジタルヘルス市場では,スマートフォンを活用した新サービスの創出が活況である。しかし,市場ではコモディティー化も顕著であり,差別化戦略は益々重要性を増している。一方,健康に纏わるユーザーの価値観は定量化が難しいだけでなく,サービス価値の判断は競合サービスにも影響を受け変化することから,競合関係とともに捉えることが重要である。そこで本稿は,ユーザーレビューを活用し,テキスト解析と対応分析を駆使することで,差別化戦略を構築する上での有用な指針を抽出する方法を提示する。分析結果より,ユーザーは、体組成計データ等のグラフ表示や記録・管理機能などの一次的価値(機能そのものによる便益)を重視している傾向の他、睡眠管理や服薬管理などの分野ではコモディティー化を逃れていることが示唆された。よって、分野の特性を的確に捉えた上で差別化要素を検討する重要性などが指針として得られ、本稿で示した方法はデジタルヘルス分野における差別化戦略の構築に於いて,一助になると考えられる。
著者
國領 二郎
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.105-116, 2017-07-28 (Released:2018-01-26)
参考文献数
21

An analysis is offered on the relationship between traceability and sharing economy. Here, sharing economy is synonymous with "expansion of the right of use sales (as opposed to ownership)-oriented business model." Traceability is defined as "a state where the principle owner of property rights or product liability for some physical or intellectual property is able to continuously confirm the state of the property and who is using it." Under low traceability environments, businesses have no choice but to use the right of ownership sales-oriented business model. However, if advances in ICT realize high traceability environments, they will be able to adopt a model in which products are not sold and transferred, but in which only use rights are granted for a specified time in various form including rentals. Impact of barcodes and mobiles devices are analyzed to illustrate how traceability increased the level of sharing in supply chains.
著者
根来 龍之 國領 二郎 木村 誠 森田 正隆
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

プラットフォームビジネス・サービスについて、理論追求と事例研究の双方について成果を発表した。前者については、メディア機能型PFBと基盤機能型PFBの概念的区分とその融合に関する研究を行った。同時に、上記の理論的研究に基づきながら、事例研究も進めた。具体的には、電子マネー、ソフトウェアビジネス、ゲームビジネス、ネットプロモーションについて、事例研究を発表した。同時に、研究の背景となる情報システムと競争優位に関する研究も進めた。