著者
砂原 秀樹 村井 純
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.571-581, 2013-12-01 (Released:2013-12-01)
参考文献数
14

1984年10月,東京工業大学,慶應義塾大学,東京大学のUNIXマシンが接続され,JUNETとよばれるネットワークが誕生した。JUNETは,電話網の上に構築されたネットワークであったが現在のインターネットの基礎となったネットワークである。単にサービスを提供するだけでなく,人と人のつながり,つまりコミュニティーを生み,そこから次世代の計算機環境を考えるグループが誕生した。これがWIDEプロジェクトである。ここではInternet Protocol version 6(IPv6)の開発に関わる活動をはじめとして,グローバルなインターネットに資するさまざまな研究が進められてきた。本稿では,今年25年を迎えるWIDEプロジェクトの取り組みの歴史と成果,今後の展望について述べる。
著者
上原 雄貴 水谷 正慶 武田 圭史 村井 純
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.461-473, 2012-02-15

近年,インターネットを介した各種サービスにおいて,ユーザごとの行動履歴や趣味趣向に応じた最適化されたサービスを適時に提供することで,新たな付加価値を生み出すための取組みが行われている.実際にこのようなサービスを利用するためには利用者が専用のアカウントを登録するといった特別な操作が必要である.また,従来ホストの識別にIPアドレスやMACアドレスが利用されているが,IPアドレスはネットワーク環境によって変化し,MACアドレスは詐称可能であるため,継続的にホストや所有者を特定できない.そこで本研究では,特定のユーザが利用するデバイスごとに,ユーザの利用形態によって特徴的なトラフィックパターンが現れるかを事前に調査した.そして,その結果を用いてネットワーク上に発信されているパケットのヘッダ情報を収集,解析することでホストおよびユーザを特定する手法を提案した.本提案手法において,ユーザが発信するパケットのペイロード情報はプライバシ侵害の懸念があるため,パケットヘッダ情報のみを収集することでホストおよびユーザを特定することを目的とする.そして,200人ほどが参加するカンファレンスや学術ネットワークにおいてユーザの許諾を得たうえで実験を行い,ホストやユーザを本手法によって特定可能であることを示した.これよって,サービス提供者はユーザに特別な操作や設定などを求めることやデバイスの制約などを受けることなく,ユーザごとに特化したサービスを提供できる可能性を示した.As demand for internet services specifically customized for each user increases, service providers make effort to build extra value on their services by providing useful services, based on personal action history and personal interest. However, in order to use these services, they require users to install specific application. IP addresses and MAC addresses are being used for host identification, but IP addresses vary as the hosts' network environment change, and MAC addresses are deceivable. Therefore, continually specifying hosts and users is impossible. In this paper, we propose a method to identify and track users by collecting and analyzing network traffic, which enables users to receive customized services without installing special application nor user of specific devices. Payloads of packets, transmitted by users, are subjected to privacy, so in the method, host and user identification is performed by collecting information from packet header. This methods' practicability has been verified through experiments, performed on a conference and an academic network. Through the experiment, possibility for service providers to offer users user specific services, without requiring users to perform particular actions nor setting, nor limiting users to use specific devices, has been shown.
著者
上原 雄貴 水谷 正慶 武田 圭史 村井 純
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.461-473, 2012-02-15

近年,インターネットを介した各種サービスにおいて,ユーザごとの行動履歴や趣味趣向に応じた最適化されたサービスを適時に提供することで,新たな付加価値を生み出すための取組みが行われている.実際にこのようなサービスを利用するためには利用者が専用のアカウントを登録するといった特別な操作が必要である.また,従来ホストの識別にIPアドレスやMACアドレスが利用されているが,IPアドレスはネットワーク環境によって変化し,MACアドレスは詐称可能であるため,継続的にホストや所有者を特定できない.そこで本研究では,特定のユーザが利用するデバイスごとに,ユーザの利用形態によって特徴的なトラフィックパターンが現れるかを事前に調査した.そして,その結果を用いてネットワーク上に発信されているパケットのヘッダ情報を収集,解析することでホストおよびユーザを特定する手法を提案した.本提案手法において,ユーザが発信するパケットのペイロード情報はプライバシ侵害の懸念があるため,パケットヘッダ情報のみを収集することでホストおよびユーザを特定することを目的とする.そして,200人ほどが参加するカンファレンスや学術ネットワークにおいてユーザの許諾を得たうえで実験を行い,ホストやユーザを本手法によって特定可能であることを示した.これよって,サービス提供者はユーザに特別な操作や設定などを求めることやデバイスの制約などを受けることなく,ユーザごとに特化したサービスを提供できる可能性を示した.
著者
中野 由章 久野 靖 佐久間 拓也 谷 聖一 筧 捷彦 村井 純 植原 啓介 中山 泰一 伊藤 一成 角田 博保 鈴木 貢 辰己 丈夫 永松 礼夫 西田 知博 松永 賢次 山崎 浩二
雑誌
第57回プログラミング・シンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.155-169, 2016-01-08

わが国の初等中等教育における情報教育は多くの問題を抱えているが,その中に「どのような評価を行うのがよいかの合意がない」「大学入学試験において情報の内容が出題されることが少ない」という点が挙げられる.筆者らは情報入試研究会として2012 年からこの問題に取り組み,シンポジウムなどを通じて各大学に情報の出題を促すとともに,望ましい情報入試の問題について探究し,公開模擬試験を通じてデータを収集してきた.本発表では,情報入試研究会の活動について紹介するとともに,作題に関する考え方,公開模擬試験で使用した問題や試験結果について紹介し,望ましい情報入試のあり方について議論する.
著者
重近 範行 中村 修 村井 純
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.85, no.8, pp.1234-1242, 2002-08-01
被引用文献数
2

本論文では,規模や時間的制約,双方向コミュニケーションを考慮した,インターネットを用いたイベントにおける新しいコミュニケーションモデルを提案する.イベントにおけるコミュニケーションでは,会場における場の共有がイベントの成功に特に大きな影響を与える,しかし,テレビ放送や既存のインターネット中継では,場の共有という重要な要素が考慮されていない.本モデルに従って規模や時間的制約に対応でき,場所に依存しない双方向コミュニケーション支援システムGayaを設計・実装した.また,Gayaシステムを用いて,慶應義塾大学環境情報学部の授業・渋谷駅前などで実証実験を行い,本システムの有用性を明らかにした.
著者
吉村 伸 徳川 義崇 村井 純
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.53(1991-DPS-051), pp.1-8, 1991-07-05

学術研究のためのコンピュータネットワークは、1984年のJUNETの実験開始に始まり、その後順調に参加組織が増加し、発展を続けている。それとともに、WIDE,TISN,JAINといったIP Networkの構築が進み、BITNETなどとともに、国際的な接続性を有した、学術研究ネットワークを形成している。我々は、これらネットワークの発展、相互接続の変遷に関して調査し、現状を把握するために若干の実験を行なった。本論文では、その結果について報告する。

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著者
村井純之助, 丸山長四郎 編
出版者
松沢玒三
巻号頁・発行日
1894
著者
須子 善彦 小池 由理 村井 純
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.66-77, 2007-10-26

本システムは,イラストやアニメーション等のデジタルアート作品の流通を支援するWebベースのシステムである.本システムでは,世界中のブログを一種のセレクトショップと見なし,ブログを仲介にしたアート作品の流通モデルを実現することで,デジタルアート作品の流通の問題の一部である,1)デジタルアート作晶へのニーズが切迫していない点,2)検索におけるアート作品特有の困難さ,という問題を解決した.a)上記の課題の導出は要件定義段階からアーティストとの協働によるものである点,b)その解決モデルの実現のためのdesign choicesとして,各要素技術の難易度や新規性を求めず,しかしながら組み合わせが斬新で有用である点を重視,c)前述の結果として短期間に一般公開可能なシステム開発が可能となった点,が特徴である.本システムは,一般ユーザに気軽にデジタルアート作品に触れる機会を増大し,ユーザ個々人の趣味・嗜好によって異なった作品発見を可能にした.また,周囲の環境にマッチする必要性など,アート作品特有の検索要件に新たな解を与えた.
著者
重田 桂子 植原 啓介 村井 純
雑誌
情報教育シンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.31-38, 2015-08-10

高校教科「情報」は 2003 年に導入が開始され 2013 年に学習指導要領が改訂された. 本研究では, 最新の高校教科「情報」に関する指導状況を把握することを目的として,無作為に選出した全国 2000 校の 教員を対象に実施したアンケート調査の結果について報告する. アンケートは,「学校および連絡先に関し て」,「授業・内容に関して」,「教科書・教材に関して」,「指導教員に関して」の 4 項目,計 42 問から構成し, 実施期間は2014年12月1日から2015年1月31日の2ヶ月とした. 本調査では,586校(712学科)から 回答を得ることができ,そのうちの有効回答数は 499 校 (634 学科) であった. 結果としては,地方や学科 により指導内容のばらつきが見受けられ,それぞれの状況に合わせて不足を補う必要があると考えられる.
著者
佐藤 雅明 繁富利恵 上田 憲道 党聡維 植原 啓介 砂原 秀樹 村井 純
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.144-158, 2009-01-15
被引用文献数
1

車両の持つ情報を集約し,統計的処理を施すことで交通情報等の生成を行うプローブ情報システムでは,収集される情報に車両が情報を取得した際の位置と時間が含まれる.情報発信者のプライバシ保護の観点では,情報は車両を識別することができない匿名で,かつ発信される情報に依存関係がない状態で収集されることが望ましい.しかし,匿名環境では,プローブ情報システムは悪意ある情報発信者による虚偽情報の大量発信を排除できない.また,旅行時間等の連続したデータを必要とするプローブ情報の生成ができない.本論文では,プライバシを考慮したプローブ情報システムの構築のための匿名認証方式の提案を行った.本方式を用いることにより,情報収集者は,情報発信者の匿名性を担保したうえで,連続したプローブ情報の収集が可能となる.また,提案した方式の動作を検証するために,匿名認証システム,およびプローブ車両シミュレータとプローブ収集センタの設計と実装を行った.この環境で評価実験を行った結果,提案方式によってプライバシを考慮したプローブ情報システムの構築が可能であることが分かった.In the current Probe Vehicle Information system, collected information includes the position and the time when the vehicle obtained the information. In order to protect the privacy, a vehicle should not be identified by the collected information. For the information collector, it is better to eliminate the possibility of the attacks to the system using the information such as identity thief or fallaciousness by malicious third party. In order to generate high quality service, continuous information such as the travel time on a road is required. In this paper, we proposed the anonymous authentication system for developing the probe vehicle information system considering the privacy. By utilizing the proposed system, probe information can be collected continuously while keeping the anonymity of the information sender. The proposed system was designed and developed in order to verify the feasibility of the proposed system using probe vehicle simulator. The verification proved that the proposed system considering the privacy can be deployed.
著者
鈴木 茂哉 石原 知洋 ビルマニング 村井 純
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.385-402, 2012-01-15

携帯電話のような携帯デバイスは,インターネットへ接続する機能を持つが,デバイス間で直接通信するネットワーク機能をあわせて持つものもある.本論文ではデバイス間の直接通信によりその場で構成されるネットワーク部分をアドホックネットワークと呼ぶ.アドホックネットワークは,ファイル交換等に有用と考えられるが,アクセス制御のための認証操作が煩雑なため活用されていない.認証操作が煩雑なのは,アドホックネットワーク環境で相手を認証する際,信頼できる第三者を仮定できず,パス・キーの手入力等主たる通信路以外の通信路(アウトオブバンド通信)に頼る必要があるからである.本論文では,アドホックネットワークにおけるノード間認証方式として,アウトオブバンド通信に頼らない方式を提案する.提案方式では,本方式参加ノードそれぞれが,ノード自身の識別のために必要な公開鍵(NK)と公開鍵に至る信頼の連鎖(NKCT)を事前に用意する.検証者は,立証者と自身の持つNKCT双方を組み合わせることで,必要な信頼の連鎖を構成できる.信頼の連鎖の確保により,認証が可能となる.また,信頼の連鎖の確保にDNSSECリソースレコードを用い,運用性を高めた.本研究の評価では,検証ライブラリとともに,簡単なスマートフォンアプリケーションと,サーバ用認証モジュールを実装し,実験により本方式の効率性と有効性を示した.
著者
大川 恵子 伊集院 百合 村井 純
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp.3801-3810, 1999-10-15
参考文献数
11
被引用文献数
23

既存の大学の教育環境を可能な限り利用する手法を用いてインターネット上での教育システム(SOI School of Internet)を設計し構築した.システムは,講義そのものを取り扱う講義システム,課題の提出とコメントの関係を実現する課題提出システム,授業全体の評価を開放的に調査する授業調査システムの3つの要素に抽象化を行うことにより構築した.これらの機能を,学生,教員,管理・事務という実際の大学の3つの主体と関連付けることにより設計と実装を行った.それぞれのシステムは,映像と音声の情報とテキスト情報として授業情報を取り扱い,主体間のコミュニケーション全体をこれらを取り扱うデジタル情報処理として実現した.また,実験全体は「インターネット学科」という架空の学科を,実存する大学の講義,チュートリアルなどを利用して構築するという概念でとりまとめた.実際の大学教育を直接抽象化した本システムの構築手法により,システムごとの独立した開発と改善が可能となり,電子化以前の授業に対する課題を直接的に解決することができ,かつ,実際の大学の授業に本システムを取り入れることで継続的に大規模な実証実験が可能となった.1年間で11授業,44特別講義,300時間,約2000人の登録受講者という実験結果は,従来の遠隔教育システムに比べて,特殊な設備を前提とせず,かつ,現状の大学教育の電子化への段階的な移行に対して有用性が証明された.本システムは,インターネット上のインターネット教育を授業内容とし,1997年10月から1年間行われた実証実験に基づいて評価を行った.We established an educational system on the Internet by using the existing university educational environment.The education system consists of the three major parts.First part is a lecture on demand system using video,audio and text information from the real classroom.Second part is the assignment system with a mechanism to encourage open communication among students and faculties through writing a feedback to submitted assignments each other.Third part is the course evaluation system with an open policy to keep the quality of the lecture on the Internet.Students,faculties and administrations are three subject on the educational system on the Internet and we define the education as a sequence of the communication of among those subjects.As an experimental of this idea,we established a virtual school course "School of Internet"by degitizing the educational activities in the existing university courses,tutorials and special lectures and putting them on the Internet to share.Abstracting the actual university education and putting them on the Internet environment enables to improve or resolve the problems in the current university educational system.By utilizing this method in the real university courses,a continuous and large scale experimentation can be carried out.As a result of one and half years of experiment,11 university courses and 44 special lectures are archived in 320 hours of video, audio and other media materials. About 2000 registered students are continuously accessing to those lectures.This result proves the usability of this system,and possibility of the transition to the university education on the digital communication infrastructure.The "School of Internet"startd from October 1997 on the Internet.This paper evaluates the system through the result of one and half years of experimentation.
著者
中野 由章 谷 聖一 筧 捷彦 村井 純 植原 啓介 中山 泰一 伊藤 一成 角田 博保 久野 靖 佐久間 拓也 鈴木 貢 辰己 丈夫 永松 礼夫 西田 知博 松永 賢次 山崎 浩二
雑誌
情報教育シンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.2, pp.11-17, 2014-08-17

情報入試研究会と,情報処理学会情報入試ワーキンググループは,2013 年と2014 年に「大学情報入試全国模擬試験」を実施した。2014 年に試行した試験は,920 人が受験し,その内容について分析した。その結果,全体としてみれば,得点分布,解答時間,問題数などは極めて良好であり,出題範囲や難易度についても問題はなかった。ただ,「情報の科学」領域,とりわけプログラミングについては,問題点が明らかになった。これはすなわち,大学側が求める内容と,高校側で行なわれている内容の乖離を意味する可能性がある。入試問題という狭い範囲ではなく,教育内容まで含めて,今後,総合的に検討を要する内容である。
著者
谷 聖一 佐久間 拓也 筧 捷彦 村井 純 植原 啓介;中野由章 中山 泰一 伊藤 一成 角田 博保 久野 靖 鈴木 貢 辰己 丈夫 永松 礼夫 西田 知博 松永 賢次 山崎 浩二
雑誌
情報教育シンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.7-14, 2016-08-15

情報入試研究会と,情報処理学会情報入試ワーキンググループは,2013年と2014年に引き続き,2015年と2016年に「大学情報入試全国模擬試験」を実施した.「大学情報入試全国模擬試験」の目的は,「どのような試験方法、どのような範囲・内容・水準の問題が適切であるかについて意見を交換し、その成果として具体的な入試問題の試作を行い世の中に公開すること」ことであった.2015年実施の模試には約2000名の高校生が,また,2016年実施の模試には約750名の高校生が参加した.本報告では,その実施概要と結果について報告する.適切な範囲・内容・水準を確立するためのの議論の素材となりうる具体的な入試問題を提示したという点で,目的をある程度達成できたといえる.
著者
村井 純
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.328-329, 2020-03-15