著者
村松 博士 田中 育太 庵原 秀之 三上 淳一 中谷 玲二 日下部 俊朗 渡辺 秀樹 北川 一彦 土田 茂 久居 弘幸 倉 敏郎 坂田 隆
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.611-616, 2018 (Released:2018-04-20)
参考文献数
32

液体栄養剤の半固形への形状変化が臨床経過に与える効果を検証する目的で無作為多施設共同比較臨床試験を行った。半固形化栄養群(以下、介入群と略)には半固形状の水分とペクチンとカルシウムを添加し半固形状とした経腸栄養剤を、液体栄養群(以下、対照群と略)には液体の水と経腸栄養剤を経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)施行翌日から胃瘻より投与開始、漸増した。介入群75例と対照群76例について術後2週間の臨床経過を比較した結果、誤嚥性肺炎の発症は介入群(1/75)で対照群(11/76)よりも有意に抑制された(p=0.0028)。また、PEG前は両群に差がなかったブリストル便形状スケールは2週間後で介入群が対照群よりも低くなり(4.9 ± 1.1 対. 5.6 ± 1.1)(p=0.00045)、便性状が改善した。PEG周術期において液体栄養剤を半固形状に変化させることによって誤嚥性肺炎と下痢を抑制した。
著者
土田 茂一
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.170-173, 1966-11-30

青刈類の省力・多収をはかり圃場の合理的利用の面から青刈トウモロコシとニューソルゴーの混播を取り上げ,とくに初回刈りの時期と生草収量の関係を検討し1た。1.混播はそれぞれの単播に比較して概して多収となり,青刈トウモロコシを2回作付した合計収量に対して約3.0%,ニューソルゴー単播に対して約20.0%の増収となった。2.初回の生草量は青刈トウモロコシが主で,刈取りが遅くなるにしたがって増加の傾向を示したが,7月下旬以後は停滞した。そしてこのことが混播の生草収量に関係深いことを認めた。3.混植中のニューソルゴーは生育が劣り,混植期間が長くても生草量の増加は少ない。初回刈り後のニューソルゴーは,初回の刈取りが遅くなるほど少なく,とくに7月下旬以降に刈った場合は再生がいちじるしく劣るようであった。再生に最もよい初回刈りの時期は7月上旬であり,刈取ごとの収量も平均していた。4.混播の総生草収量は6月24日刈りが少ない以外,各区間に大差はなかった。しかし7月下旬以降の初回刈りでは,青刈トウモロコシの硬化が進むため青刈り給与の利用率は低下する。したがって青刈りの場合は生草量および利用の面やニューソルゴーの再生などからみて7月上旬頃の初回刈りがよく,サイレージ材料としては7月下旬に初回刈りし,ニューソルゴーは1回,刈りするのが適当と考える。