著者
秋山 孝正 小川 圭一 奥嶋 政嗣 土田 貴義
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.421-430, 2002-08-15

都市高速道路の適切な交通管理をおこなうためには,各オンランプからの流入交通量の予測をおこない,それにもとづく本線上の交通状況の予測をおこなう必要がある.しかしながら,流入交通量は不規則な変動を示すため,従来法である指数平滑法による予測は困難であった.そこで本研究では,不規則な変動に対応できる予測方法として,カオス理論,ニューラルネットワークを用いた流入交通量の時系列予測方法を提案する.さらに,流入交通量予測値を用いて渋滞シミュレーションによる交通状況の予測をおこない,交通管理への適用性について検討をおこなう.この結果,従来法に比較して予測精度が向上することがわかった.とくに,短期的な流入交通量の変動の予測においては,局所ファジィ再構成法を用いたカオス理論による予測が有効であることがわかった.