著者
片岡 弘之 正宗 賢 佐久間 一郎 土肥 健純
出版者
一般社団法人 日本コンピュータ外科学会
雑誌
日本コンピュータ外科学会誌 (ISSN:13449486)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.30-38, 1999-03-31 (Released:2011-01-25)
参考文献数
12

Neurosurgical navigation systems using preoperative images have a big problem in their accuracy which is caused byBrain Shift. To this problem we have developed an image modification technique using brain mechanics. In this study a method is introduced in which the intraoperative brain shape is estimated through Finite Element Method. In the process the nearest model shape to intraoperative brain surface is firstly estimated by modifying an FEM result through adjusting mechanical property, then the residual between the result and the actual shape is obtained by a virtual load on the brain surface.The accuracy of our method is evaluated with phantom experiments.We prepare two kinds of phantom experiments for investigating the most adaptive conditions in terms with bindings, initial model parameters, etc. One is that using mathematical model whose mechanical property is elastic, and the other is that using soy bean curd whoes mechanical property is non-linear.
著者
土肥 健純 松本 洋一郎 中村 耕三 久田 俊明 佐久間 一郎 波多 伸彦 中島 勧
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

(背景と目的)整形外科手術においては従来,皮膚および筋肉組織を切開した上で骨を切断していた.本研究では収束超音波を用いて皮膚に切開を加えず,非侵襲的に骨を切断するシステムの基礎研究を目的とする.(方法)システム開発の基礎的研究として,実際に豚の骨に収束超音波を照射する実験システムを構築した.脱気水を張った水槽内に豚骨を固定し,PZT素子を用いたトランスデューサから波形,振動周波数,素子印加電圧等の照射条件を変えながら骨表面が焦点になるように垂直に照射し,焦点部分に起こる変化を観察した.Finite Difference Time Domain Methodを用いたシミュレーションソフトウェアを開発した.豚骨表面におけるエネルギについて,シミュレーションで得られた値と開発したシステムによる実験値とを比較した.PZT素子の共振周波数に奇数倍の周波数を持つ正弦波を足し合わせた波である矩形波を入力波形として用い高音圧化を図った.また,トランスデューサを5個とし,各焦点を重ね合わせることでも音圧の上昇を図った.(結果と考察)焦点エネルギのシミュレーション値と実験値に関して約90%の一致率を得た.また,PZT素子に関してはトランスデューサ開口部が同じであれば曲率が大きいほど焦点音圧が高くなるという解析結果を得た.矩形波入力の場合の焦点音圧は正弦波入力の場合の3倍であり,2個のトランスデューサから豚の肩甲骨に照射したところ,直径1mm,深さ0.5mmの切削痕が得られた.5個のトランスデューサへの入力電力を各30W(合計150W)とし,音圧を測定したところ,1個のトランスデューサに30Wの電力を入力した場合に比べて1.65倍の音圧を得た.インピーダンスマッチングの改善により一層の高音圧化が可能であると考えられる.(結論)収束超音波による非侵襲骨切断のための装置を開発し,曲率の大きなPZT素子からなるトランスデューサを複数用い矩形波を入力することにより効果的な骨切断が可能であることが示された.
著者
辻 隆之 土肥 健純 安水 洸彦 藤里 俊哉 佐田 正晴 宮脇 富士夫
出版者
国立循環器病センター
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1996

ミニブタが異種臓器移植用ドナー動物として世界に認知され、遺伝子組み換えが欧米で試みられている、我か国では数が現状ではきわめて少ない貴重なミニブタの受精卵にヒト遺伝子を導入するマイクロインジェクション法について効率的なデバイスを開発することが本研究の目的である。そのために低侵襲的に卵胞卵を採取できる三次元視硬性内視鏡を開発した。さらに薄層(50μm)緻密ガラスで表面コーティングしたマイクロポーラスガラス板にマイクロポケット(直径150μm)をマトリックス(5×5)状に穿ち、それをハウジングに固定して卵浮遊液を循環するミニブタ卵培養装置を開発した。それを三次元視正立顕微鏡に取り付けてCRTでマイクロポケット内に吸引固定された卵胞卵を立体視し、培養液の性状(pH.02、CO2など)を制御して卵胞卵を体外培養し、体外受精させる。三次元マイクロステージをコンピュータで制御し、受精卵保持システム内の受精卵にヒト遺伝子を導入するシステムを開発した。