- 著者
-
中江 秀幸
相馬 正之
坂上 尚穗
- 出版者
- 公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
- 雑誌
- 東北理学療法学 (ISSN:09152180)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, pp.7-14, 2017-08-31 (Released:2017-09-15)
- 参考文献数
- 22
- 被引用文献数
-
1
本研究では,通所介護(デイサービス)と通所リハ(デイケア)の事業所を対象に在宅パーキンソン病 (Parkinsonʼs Disease; PD)患者の利用状況について現状を調査した。B市内の通所事業所を対象に郵送法・ 無記名式で,定員数やリハ担当職種,利用目的,リハ内容,利用者からの要望,事業所側の問題などを調査 した。その結果,PD患者の利用率は78.2%,Hoehn&Yahr重症度ではstageⅢの利用者が最も多かった。 リハ担当職種は介護職と看護職が多く,理学・作業療法士は全事業所の22.5%の担当率であった。本調査結 果から,デイサービスとデイケアに共通した利用目的は「外出の機会確保」「日常生活動作の維持」であり, 利用目的が「筋力の維持」「PDに対するリハ」であればデイケアを利用している割合が高く,利用目的に応じた選択・利用がなされていた。事業者側は,「独りで実施できない」「リハ時間が短い」といったPD患者の要望を把握しているものの,PDという慢性進行性疾患と薬物依存度が高い疾患特性から医学的情報や知 識や技術の不足などの問題を抱えていることが明らかとなった。