著者
坂上 文彦 尺長健
雑誌
情報処理学会論文誌コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:18827810)
巻号頁・発行日
vol.44, no.SIG17(CVIM8), pp.100-108, 2003-12-15

本稿では,照明変動およびノイズに影響されない物体認識を目指す立場から,基本問題として正規化固有空間への部分射影を取り上げ,その最適化法を論じる.ここで,正規化固有空間とは,画像の輝度の総和を一定とする正規化画像空間内に構成される固有空間であり,輝度変化に対して不変であるという特長を持つ.本稿では,まず,問題の定義を与え,解法を論じる.ここで,正規化固有空間の同次表現(同次固有空間)を導入することにより,正規化固有空間への部分射影の最適化(最適部分射影)が同次固有空間への線形射影に帰着できることを示す.最後に公開データベースYale Database B上での認識実験により,同次固有空間を利用した最適部分射影の応用例を示す.本稿で示す最適部分射影はコンピュータビジョンの様々な問題に応用可能であると考えられる.
著者
坂上 文彦
出版者
名古屋工業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では,ライトフィールドディスプレイの作成方法について検討し,その作成方法および校正方法について確立した.この方法では,観測者を模したカメラによりライトフィールドディスプレイを撮影することで,幾何的な情報を取得することなくどのようなライトフィールドが提示されるかをモデル化することに成功した.また,このようなモデルを用いることで,低視力者が裸眼でディスプレイを観測した場合に,任意の鮮明な画像を観測させることに成功した.さらに,画像を観測させるだけで視力を計測可能となる方法を提案した.また,通常のディスプレイを用いて視力仮想矯正を実現する方法についても提案した.