著者
坂上 隆彦
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.428-429, 2016 (Released:2016-05-01)

樋屋奇応丸は主にジャコウ、ユウタン、ジンコウ、ニンジンを含む小児五疳薬であり、「夜なき、かんむし」の薬として広く知られている。最小で直径約1.3mm、金箔・銀箔コーティングが特徴の丸剤は、1622年に初代樋屋坂上忠兵衛が創業して以来約400年にわたり製造・販売が続いている。江戸時代には大人の薬として庶民に普及していたが、現在は乳幼児にも服用できる薬として親しまれている。