- 著者
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堀江 健二
渡部 和哉
坂下 真耶
山津 敦史
- 出版者
- 公益社団法人 日本農芸化学会
- 雑誌
- 化学と生物 (ISSN:0453073X)
- 巻号頁・発行日
- vol.57, no.4, pp.207-212, 2019-04-01 (Released:2020-04-01)
- 参考文献数
- 11
- 被引用文献数
-
1
近年,機能性表示食品をはじめとしてさまざまな食品のパッケージに見かけることが多くなった「GABA」の文字.GABA(ギャバ)は野菜や果物などに含まれるアミノ酸の一種であるが,さまざまな機能性が報告されていることから機能性食品への応用が拡がっている.GABAはもともと医薬品として用いられていたが,食薬区分の見直しにより食品としての活躍の場が拡がった.しかし,医薬品としてはGABAは化学合成法で作られていたが,食品として使うには,化学合成ではなく,安心して使える天然由来のGABAが求められた.われわれは,天然由来の高純度GABAを開発するにあたり,食品由来の乳酸菌を用いた大量生産技術の確立から,独創的な機能性の研究,そしてさまざまな食品にGABAを配合する際の応用技術まで,GABAに関する包括的な研究開発を行ってきた.本稿ではどのようにしてGABAを開発し,どのようにして市場を開拓してきたかについて解説する.