著者
伊藤 大志 坂口 文則 梅田 博之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論
巻号頁・発行日
vol.96, no.494, pp.13-18, 1997-01-24

確率過程の識別における検定の誤り確率はダイバージェンスと深い関係があり, 大偏差原理の関係が知られている. 本報告では, 自己修正点過程に忘却性を持たせたものを確率点過程のモデルとし, マルコフ連鎖近似の極限を用いて点過程のダイバージェンス・レートを導出する. 次に, 忘却のある自己修正点過程を判別するために仮説検定のシミュレーションを行い, 求めたダイバージェンス・レートと検定の誤り確率との関係が大偏差原理に沿うものであることを調べる. また, 忘却の度合を変化させることにより, 大偏差原理の関係式からのずれがどのようなふるまいをみせるかを調べる.