著者
坂口 次郎 鈴木 雅和
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.247-252, 1993-03-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
8
被引用文献数
2

筑波研究学園都市の街路樹は, 緑量の増加と樹冠の一体化を意図して2本立植栽がなされ, 植栽デザインとして特徴的である。しかし, 植栽後約20年経過して観察すると, 必ずしも当初のデザイン意図どおりの効果を達成していないものも見られる。本研究はそれら街路樹に関する活力度調査および視覚的評価によりデザイン意図と成果の検証を行うことによって, 植栽デザインの方法論を考察したものである。その結果, ユリノキ, アメリカフウではデザイン意図を達成しているが, トウカエデ, シラカシ, エンジュでは達成していないことがわかった。今後, 植栽デザインにおいて樹木の経年的変化と管理方法を考慮する必要性が明らかになった。
著者
坂口 次郎 鈴木 雅和
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.197-200, 1996-03-29
被引用文献数
1

本研究の目的は,大規模都市公園における空間構成を客観的に記述し比較検討するため,グラフ理論に基づいたグラフの計測示数により,空間構成を解析することにある。日本における15ケ所の国営公園を対象とし,ゾーニングされた空間をグラフの頂点,それらを連結する主要な動線を辺としてグラフ化を試みた。またグラフの規模,連結度,分散度,関連数などのグラフ示数を計測し比較することにより,大規模都市公園における空間構成を類型化することができた。大規模都市公園におけるゾーニングは1段階だけの単純な構造ではなく,空間を複数回分割する階層的な構造があるなど,空間構成上の特微か把握でき,本解析法の有効性が確認できた。