著者
加藤 亮 坂口 誠一郎 林 浩平 五十嵐 康伸
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.12, pp.508-513, 2014

ビッグデータ時代に入り,ビジネス課題に対するデータ活用法(イシュー)を導出する方法論が企業では必要とされている。しかし,具体的なイシュー導出の過程や時間配分について記述している先行研究は殆どない.そこで本論文では,筆者等が参加し準優勝したデータサイエンス・アドベンチャーを事例とした事後分析に基づき,ビジネスにおける有用性及び実現性の高いイシューを導出する方法としてデータ・イシューサイクルを提案する。このサイクルは,探索期,調査期,調整期,実証期から成る。分析の結果,予測モデルの構築を行う実証期の日数は全体の1割以下であり,残り9割以上の時間はイシュー導出のための議論やデータの調査・加工を行う他3つの期間に割り当てられていたことが分かった。