著者
坂本 裕紀 菅原 俊治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.89, pp.19-24, 2014-06-19

本研究では、一部の家庭に太陽光発電設備および家庭用蓄電池設備が導入されたことを想定し,地域内の近隣家庭同士の電力売買市場を想定した,家庭用蓄電池の充放電計画手法を提案する.導入促進には,家庭にとって設備導入が有益であることを示す必要があり,そのため自律的に動作する設備による電力が経済的に利用可能な機能が必要である.本機能は家庭に設置される制御端末「スマートメーター」に実装され,スマートメーターは家庭の電力消費量,ソーラー発電量,電力価格の推移を記録することで価格差を考慮した充放電計画を作成する.市場を通じた電力取引価格について,売買価格差を導入した場合を想定し,また電力需要量の状況に応じて蓄電池の利用量を制限することで,電力需要量の乱高下を抑制するために"ノルム"を導入する.本手法をシミュレーションによる実験で評価した.その結果,提案手法によって電力需要の平坦化が可能となり,その達成度は環境により異なることがわかった.また環境に依存せず,家庭の利得の向上が可能であることがわかった.
著者
坂本 裕紀 菅原 俊治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.113, pp.7-11, 2013-07-04

本研究では、各家庭の利得向上を目的として、家庭に設置される制御端末「スマートメーター」による地域内の近隣家庭同士の電力売買市場を想定した,家庭の利得向上を目的とする家庭用蓄電池の充放電計画手法を提案する。充放電は,市場の電力需要に比例して決定される電力価格に対して安価なときに充電,高価なときに放電するよう計画される.当手法をマルチエージェントシミュレーションによる実験で評価した.その結果,地域の環境によって電力需要の平坦化をもたらす最適な学習パラメーターが存在することを示す.また,家庭用蓄電池やソーラーパネルを導入することで,各家庭の利得は導入していない家庭と比較して,向上することが分かった.