著者
大原 利眞 坂田 智之
出版者
公益社団法人大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.47-54, 2003-01-10
被引用文献数
28

1985〜1999年度に日本全国の大気常時監視測定局で測定された光化学オキシダント年平均濃度を解析した結果,82%の測定局において経年的な増加傾向を示し,その増加率は全国平均で年間0.33 ppb/年 (1.1%/年) であった。特に1991〜1996年度における増加は著しく,その間に全国平均で約5 ppb増加した。また,濃度上昇は全国的な現象であること,6月を除く暖候期に増加傾向がやや大きいことなどの特徴が認められた。しかし,大気常時監視測定局のO_x測定機には1980年代中頃から向流吸収管の自動洗浄装置が装着され始め,この測定法の変化がO_x測定濃度の長期変動に一定の影響を及ぼしている可能性もある。