著者
渡部 亮 坂田 祥子 丸山 敦史 菊池 眞夫
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.51-58, 2004-03-31

横浜市の三つ池公園の利用者から得られた支払意志額(WTP)を用いて都市公園の選好構造を検討した.公園が現状のままで有料化された場合入場料として幾ら払うかという質問に対して得られたWTPの平均値は138円であった.これに対して公園のサービスとインフラストラクチュアを改善した上で有料化するとした場合のWTPは平均180円であった.WTP関数の計測により,所得,年齢,公園訪問の目的が複数ある場合にWTPが統計的に有意に高められることが明らかにされた.公園の機能と快適さを高く評価する訪問者も高いWTP水準を示した.また計測された年齢とWTPの関係から,公園の入園料を平均WTPより低い100円に設定するとしても,35歳以下の若い世代の来園者を失う可能性が高いことが明らかになった.