著者
坪田 邦治 中島 啓 西垣 誠
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F (ISSN:18806074)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.323-334, 2007 (Released:2007-08-20)
参考文献数
16

兵庫県北部の豊岡盆地では,沖積粘性土地盤が厚く堆積しており,盆地の中央を北上する1級河川である円山川の築堤工事に際しても,市街地周辺では,近接している民家に対して,築堤盛土に伴う周辺地盤沈下の抑制が大きな課題とされてきた.本論文では,対策工として,深層混合処理工(CDM工法)を選定し,対策工による沈下抑制効果の予測および試験盛土の動態観測結果との対比により,予測計算の有効性および対策工による沈下抑制効果が高いことが確認できた.この結果,対策工の設計に際して,改良深度,改良幅,改良強度と周辺家屋の傾斜角が関連する対策工の最適化設計チャートについて新たに提案するとともに,対策工の施工時の変位抑制のために施工した緩衝孔の効果について論じる.