著者
白柳 洋俊 倉内 慎也 坪田 隆宏
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.75, no.6, pp.I_191-I_197, 2020 (Released:2020-04-08)
参考文献数
17

本研究は,街並の視覚性ワーキングメモリが注意捕捉を促進するとの仮説を措定し,室内実験により同仮説を検証した.和風型街並を回遊する際,一定時間歩行すると同街並を構成する和風建築要素に対して注意捕捉が促進されることがある.注意捕捉は視覚性ワーキングメモリに保持された視覚的な記憶と類似した要素に対して促進される.そこで本研究は和風型街並を対象に,事前に保持した和風型街並の視覚性ワーキングメモリが駆動することで,事後の和風型街並の和風建築要素に対して注意捕捉の促進が生じるとの仮説を措定し,同仮説を視覚探索課題により検討した.実験の結果,和風型街並を事前に認知することで,事後の和風建築要素に対する注意捕捉が促進すること,すなわち仮説を支持する結果が得られた.