著者
近藤 寛子 吉田 紀生 城田 松之
出版者
分子シミュレーション学会
雑誌
アンサンブル (ISSN:18846750)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.283-289, 2019-10-31 (Released:2020-10-31)
参考文献数
21

電位依存性カリウムチャネルは細胞膜の脱分極により活性化されカリウムイオンを選択的に透過する.C型不活性化はチャネルの不活性化機構の1種であり,脱分極状態が続くことにより引き起こされるが,その分子機構はわかっていない.そこで,脱分極直後にC型不活性化が起こるためにイオン透過が殆ど見られないKv1.2のW366F変異体を対象とし,分子動力学(MD)シミュレーションにより電場中での動態を解析した.本稿では,MDシミュレーションおよび3D-RISM理論による解析結果から電位依存的な不活性化の機構を考察する.