著者
堀口 勇 大竹 哲也 岡田 貴禎 富田 行成 志賀 達哉
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.383-386, 2003-03-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
10
被引用文献数
4 3

三叉神経痛に対しては carbamazepine が特効薬として使用され, 根治的には Jannetta の手術が行われる。しかし手術を望まず carbamazepine も無効となって, 激痛に悩まされる例もある。今回, 漢方薬が有効であった症例について検討した。漢方薬により carbamazepine が不要となったものを著効例, 半減できたものを有効例としてまとめると, 著効例7例, 有効例7例であった。処方は呉茱萸湯が2例, 五苓散を含む処方が9例, 柴胡桂枝湯・当帰四逆加呉茱萸湯生姜湯・麻黄附子細辛湯が各1例となった。三叉神経痛は上小脳動脈やその周辺血管の三叉神経への癒着・圧迫があり, 三叉神経の浮腫が生じていると考えられている。限局した領域における浮腫であっても五苓散や呉茱萸湯などはその利水効果によって効果を発現できるのではないかと思われた。14例の検討から三叉神経痛は水毒・表寒証が多いと考えられた。
著者
堀口 勇 大竹 哲也 岡田 貴禎 富田 行成 志賀 達哉
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.383-386, 2003-03-20
参考文献数
10
被引用文献数
2 3

三叉神経痛に対してはcarbamazepineが特効薬として使用され,根治的にはJannettaの手術が行われる。しかし手術を望まずcarbamazepineも無効となって,激痛に悩まされる例もある。今回,漢方薬が有効であった症例について検討した。漢方薬によりcarbamazepineが不要となったものを著効例,半減できたものを有効例としてまとめると,著効例7例,有効例7例であった。処方は呉茱〓湯が2例,五苓散を含む処方が9例、柴胡桂枝湯・当帰四逆加呉茱〓湯生姜湯,麻黄附子細辛湯が各1例となった。三叉神経痛は上小脳動脈やその周辺血管の三叉神経への癒着・圧迫があり,三叉神経の浮腫が生じていると考えられている。限局した領域における浮腫であっても五苓散や呉茱〓湯などはその利水効果によって効果を発現できるのではないかと思われた。14例の検討から三叉神経痛は水毒・表寒証が多いと考えられた。
著者
大竹 哲也 堀口 勇 家島 仁史 堤 哲也 木村 裕明 岡田 多雅
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.449-455, 1998-11-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
19
被引用文献数
2 2

骨粗鬆症に対しては疼痛管理とともに, 骨量の減少を抑えることが重要となる。疼痛に関して漢方薬投与群 (48例) と非ステロイド系消炎鎮痛剤投与群 (18例) の比較を行った。両群間の比較では4週までは差はないものの, 8週・12週では, 漢方薬投与群の方が有意に疼痛の改善を示した。次いで, 長期にわたって漢方薬を投与された症例の中で, 症例数の多かった桂枝加朮附湯と牛車腎気丸の2剤に関して骨量を検討した。桂枝加朮附湯投与群は20例, 牛車腎気丸投与群は12例となった。骨量は DIP (Digital Image Processing) 法で初診時, 3, 6, 9ヶ月後に測定した。また比較・対照として, 約10ヶ月の間治療を受けなかった症例を無治療群 (11例) とした。対照群では約10ヶ月の間で骨量は有意な減少を認めた。桂枝加朮附湯投与群のMCIは全期間を通じて初診時との有意な差は認められなかった。m-BMDの初診時との比較では3, 9ヶ月後において有意な増加を認めた。牛車腎気丸投与群のMCIおよびm-BMD値はどちらも全期間を通じて初診時との比較で有意差は認められなかった。桂枝加朮附湯は骨粗鬆症患者の骨量の減少を抑制し, むしろ改善効果が示された。牛車腎気丸も初診時の骨量を維持した。