著者
堀口 美智子
出版者
淑徳大学短期大学部
雑誌
淑徳短期大学研究紀要 (ISSN:02886758)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.83-93, 2010-02-25

就学前の子どもをもつ親は、子どもの成長や発達が順調であるかを心配したり、子育てのしかたに悩んだりすることが少なくない。孤立して育児をする現代の親の状況を考えると、子育て支援とは、「子育ての方法を知りたい」という新米の親から「子どもの問題にどのように対処したらよいのか」悩む親までを、広い範囲で対象にする必要がある。また、親たちが抱える問題に対症療法的に関わるだけではなく、問題を未然に防ぐための予防的支援が重要となる。そこで、5段階の介入・支援プログラムをもち、親のニーズや問題の内容にあわせて複数のプログラムを重層的に展開するオーストラリアの「トリプルP-前向き子育てプログラム」に注目した。本稿では、「前向き子育てプログラム」の理論枠組みや先行研究などを紹介し、大学における地域子育て支援の試みとして、筆者が2009年度に行った活動を報告した。