著者
堀木 信男
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.1015-1019, 1992 (Released:2008-02-29)
参考文献数
9

Specimens of synodontid eggs and larvae were sorted from samples of vertical hauls with 45cm plankton samplers made at 36 stations in the Kii Channel and adjacent waters over the 13 years from 1967 to 1980. Specimens of juveniles were also collected from the commercial catches ofminnow-net boats operating in the channel. The present study suggested the following: Saurida elongata spawnsmainly in the southern part of the Kii Channel frommay to July. S. undosquamis and S. wanieso spawn widely but sparsely in the coastal waters outside the channel and twomonths later than S. elongata. Hatched larvae of the two last named are carried, while growing, into the inner part of the channel by the inflowing current which dominates from summer to fall.
著者
堀木 信男
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.117-124, 1981-09-25 (Released:2010-03-09)
参考文献数
15

1979年6月に紀伊水道およびその外域の18点で, MTDネットによる10~50m層までの多層曳によって採集された魚卵・稚仔魚を材料として, 垂直分布について検討した。1.15種類 (不明種が8種類以上) , 19, 808個の魚卵, 31種類 (不明種が数種類) , 24, 030尾の稚仔魚が採集された。2.各採集層における最優占種は, 魚卵が全層でトカゲエソ, 稚仔魚が50m層を除く各層でマルアジである。3.個々の魚卵・稚仔魚の垂直分布を次の4つのタイプに類型化した。A型: 中層に最も多く分布する型であり, ウルメイワシ, トカゲエソ, タチウオなどの卵, カタクチイワシ, エソ科, ハダカイワシ科, マルアジ, ネズッポ属などの稚仔魚が含まれる。A'型: 中層に集中して分布する型であり, コノシロ卵, ヒイラギ属, クモハゼ科などの稚仔魚が含まれる。B型: 中層から底層にかけて多く分布する型であり, カタクチイワシ卵, タチウオ, アカタチ, ワニギスなどの稚仔魚が含まれる。C型: 底層に多く分布する型であり, ワニギス卵, ウルメイワシ, サイウオなどの稚仔魚が含まれる。4.一般的に, 産出された魚卵は卵発生の中期に浮上し, そして, 後期 (ふ化直前) には沈降する傾向が認められる。5.稚仔魚はそれぞれ種独自の好適な環境を選択して移行 (浮上あるいは沈降) しているものと推察される。